王宮内のその他見どころ
Other Attractions
フエの王宮内は宮殿や太和殿以外にも、たくさん建造物があります。しかし、ベトナム戦争により多くの建物が崩壊。再建されたものもありますが、現在も修復中のものもあります。
そのなかで、当時の様子を今に伝えている建造物もあるので、ほかの見どころも一緒に見学してみましょう。
誰が皇帝だったのか、時代によって建築物の雰囲気が違うのもフエ王宮のおもしろいところ。中国の影響もありながら、フランス統治時代もあったベトナムには、西洋風の建造物まで存在します。
それでは王宮内のおすすめスポットをいくつか紹介します。
フエ王宮内の見どころ
フエの王宮内は宮殿や太和殿以外にも、たくさん建造物があります。しかし、ベトナム戦争により多くの建物が崩壊。再建されたものもありますが、現在も修復中のものもあります。
そのなかで、当時の様子を今に伝えている建造物もあるので、ほかの見どころも一緒に見学してみましょう。
誰が皇帝だったのか、時代によって建築物の雰囲気が違うのもフエ王宮のおもしろいところ。中国の影響もありながら、フランス統治時代もあったベトナムには、西洋風の建造物まで存在します。
それでは王宮内のおすすめスポットをいくつか紹介します。
閲是堂
閲是堂は、皇帝や王族の人が宮廷舞踊を楽しんでいた場所です。日本でいうと雅楽殿のようなイメージを想像してください。2階建ての閲是堂は、王宮内でも皇族しか鑑賞できず特別なものでした。皇帝は2階部分を独占して使われていたようです。
当時披露された宮廷舞踊は、ユネスコの世界無形遺産にも登録されている貴重なもの。その宮廷舞踊は1日に数回、この閲是堂でショーが開かれています。題材は赤ちゃんが生まれる話や扇の舞いなどさまざま。ベトナム語で演目が進められますが、言葉がわからなくても十分楽しめます。
宮廷舞踊が開催されていない時間帯は、じっくり内部を見学することも可能です。細部にまでこだわった繊細な装飾や彫刻はまさに芸術品。フエ王宮の繁栄ぶりが伺えます。
世廟
フエ王宮を支えた、歴代のグエン王朝皇帝の位牌を祀っている場所です。もともと初代皇帝ザーロン帝の身近な人を祀っている皇仁殿があり、こちらを世廟として使われる予定でした。しかし、中国の奉先殿に構成が似ていることから、新たに世廟を1821に建てたといわれています。
内部は2棟連棟の作りをしており、歴代の皇帝の祭壇が等間隔で置かれています。グエン王朝の皇帝は全員で13代まで続きましたが、この世廟に置かれている祭壇は12体。じつは最後の皇帝バオダイ帝はこの祭壇に置かれていません。その理由は、グエン王朝が崩壊し皇帝を退位ししてから、フランスに亡命したためです。
祭壇の中央はグエン王朝を開いた初代皇帝のザーロン帝、左手には2代目皇帝ミンマン帝、右手には3代目皇帝ティエウチー帝というように、左右交互に皇帝が並べられています。
各皇帝の祭壇には肖像とともに、皇帝と皇后の位牌が祀られており、外出時に使ったとされる日傘も置かれているのでチェックしてみてください。
世廟は、儒教を重んじて建てられているため、中国色の強い建築物になっています。
顕臨閣
1821年に建築された3階建ての建造物です。左右には鼓楼と鐘楼が装飾された門があります。
顕臨閣で注目してもらいたいのは、庭に並べられた青銅の鼎です。鼎とは、三本足の釜のような器で祭事ごとに使うもの。
各皇帝を表しており王権の象徴とされていました。それぞれの鼎には「高」「仁」「章」「英」「毅」「純」「宣」「裕」「玄」文字が刻まれています。
なかでも目を引くのが中央に置かれている大きな鼎です。これは初代皇帝ザーロン帝のもので、ザーロン帝がいかに偉大であったかを物語っています。
それぞれの鼎は、各皇帝のイメージを表しているそうなので、そのあたりも見学するときに見てみるといいでしょう。
鼎には川や山の景勝、トラや像などの動物など、さまざまなモチーフが施されているので見ごたえもあります。
延寿宮
延寿宮はザーロン帝の皇太后の住居として1804年に建築されました。延寿宮の前には庭と門で構成されています。門は皇太后のための用地とあって、女性を連想させるような色合いになっています。
延寿宮は再建され、当時の様子を見てとれます。ザーロン帝の頃は中国の影響を受けていたため、建物も中国色が強いです。しかし延寿宮の前には西洋風の建造物もあります。
ここは静明楼と呼ばれており、9代目皇帝ドンカイン帝の皇后専用の病院として1932年に建てられました。
コロニアル建築の建物はかわいらしい雰囲気で女性が好きそうなイメージ。
延寿宮には豪華な家具や調度品が置かれています。143年もの王朝が続いた皇族の華やかな生活ぶりをぜひ見学してください。
太廟
太廟は、グエン王朝が立ち上がる前にこの地を納めていた広南朝の歴代皇帝を祀った廟です。この廟はザーロン帝が建設を指示しました。
ザーロン帝は広南朝の最後の皇帝、武王の孫。広南朝は対立していた西山朝により襲撃され皆殺しにされたといわれています。そんななか、唯一生き残ったのがザーロン帝です。
ザーロン帝がグエン王朝を築くと、広南朝の末裔だということを世間に知らせるために、いちばん最初に建設を計画したといわれています。
のちにザーロン帝は西山朝を撲滅。西山朝の皇帝を殺害し、その首を持って太廟の前で先祖に報告しました。
太廟は長い間現存していましたが、フランス軍との交戦で1947年に破壊されてしまいました。同じ用地にある隆徳殿はかろうじて被害を免れ、建設当時の姿を今にとどめています。
フエ王宮を見学出来るツアーのご紹介
《定番を押さえた決定版》フエ市内1日観光ツアー
ツアーの魅力と見所:
郊外にも観光スポットが点在しており、個人では効率よく周るのが難しい世界遺産フエ観光。当ツアーでは絶対外せない見どころを絞って効率よく観光します。
午前はフエに7つある帝廟の中から、特に人気で見ごたえのあるトゥドゥック帝廟、カイディン帝廟の2帝廟を巡ります。
フエ名物の昼食を挟んで、午後からは旧市街にあるフエの王宮見学と、ティエンムー寺訪問、そしてボートクルーズをお楽しみください。
《人気ガイド チュンさんと行く》フエ市内1日観光ツアー
ツアーの魅力と見所:
ベトナム中部を案内するほとんどのガイドは、ダナンや他の街に移住しているため、フエに関しての知識が乏しいガイドが多いです。
しかしながら、このツアーを案内するチュンは生まれも育ちもフエという、根っからのフエっ子です。
他のどの日本語ガイドより、フエを詳しく案内できるチュンと、歴史的魅力が詰まったフエを観光できる特別なツアーです。
貸切!フエ市内1日プライベート観光ツアー
ツアーの魅力と見所:
見どころが多いフエだからこそおすすめの自分のペースで周れる貸切ツアー。
グループツアーでは訪問場所は選べませんが、自由に訪問場所をアレンジできるのが貸切ツアーの特権です。
また、他のツアーとは違い、昼食をフエの宮廷料理にアップグレードすることもできます。
ベトナム広しと言えど、伝統的な宮廷料理が残っているのはここフエだけ。フエでとれる食材を使った、王朝時代より伝わる宮廷料理をお召し上がりいただけます。
見学ワンポイントアドバイス
どの建造物も建築時代が違うため、当時はどの国に影響を受けて建設されたのか気にしながら見学してみるとおもしろいです。
フエ王宮は、ほとんどの建物に冷房が完備されていません。そんななか、閲是堂だけは宮廷舞踊のショーが行われるときだけ、冷房がきくようになっています。蒸し暑く体力も奪われるので、暑さ対策のついでにショーを見学するのもおすすめです。
閲是堂での伝統芸能の面や楽器が展示
季節によって王宮内の植物の色どりも変わる
フエ王宮の場所(Google MAP)
フエ市内中心部、旧市街と呼ばれるエリアにあります。
ホテルがやレストラン立ち並ぶ新市街からフーン川を渡ってすぐの場所にあります。