午門
Noon Gate
午門はグエン朝王宮の入り口の門で、1833年に完成しました。
グエン朝王宮は中国の影響を強く受けており、午門も例外ではありません。
王宮の建物でもいちばん見ごたえのある建築ともいわれており、午門を建築するために技術者をわざわざ北京へ派遣させました。
建築方法を学んだ技術者が作り上げた午門は、中国にある紫禁城を真似たといわれています。
しかし実際に出来上がったのは、紫禁城よりも立派で豪華な作り。権力の象徴として、威厳すら感じる門です。
遺跡に興味がないという人も、実際に午門を見ればその魅力に引き込まれる人も多いのではないでしょうか。
午門の歴史と見どころ
午門はグエン朝の1代目皇帝ザーロン帝が見張り台として1805年に建設しました。見張り台は南関台と呼ばれています。
午門という名前には由縁があり、午門の「午」は南をあらわしています。中国の教えのもと、南から天下に耳を傾けると、平和に収まるという考えがありました。
ほかにも、正午になると午門の上に太陽が昇ることなら、この名前が付けられたとされています。
2代目皇帝ミンマン帝が一部を立て直し、午門として誕生。2階部分には「五鳳凰楼」が完成します。当時この五鳳凰楼には、金箔が施されていたといわれています。
午門はグエン王朝にとって大切な場所で、歴代皇帝が新年の挨拶をしたり公的な発表をする場として使われていました。
門には5つのコの字型をした入り口があり、男性のみが使用可能と厳しい条件が付けられています。
例え皇后だとしても、通ることは許されなかったようです。
それぞれ入り口は通る人によってわけられています。
中央は皇帝と外交の大使専用、その両端は貴族や官僚、残り2つの入り口は兵士と動物とでわかれていました。
12代目皇帝カイディン帝が再建し、グエン王朝が終わる1945年まで役目を果たしました。
グエン王朝の最後の皇帝パオダイ帝が、グエン朝終わりの声明を発表したのもこの午門です。
正門にして王宮内で最も大きな建築
午門の壁には弾痕が残っている箇所も
ベトナム戦争後、かろうじて残った午門。
1988年、日本人の学者が保全状態が良くないと発表し、遺跡の保護を求めます。
午門の崩壊が懸念されていたのは、ベトナムの気候によるダメージや白アリの被害を受けていたことも原因です。
日本が立ち上げた基金を通し、各国からの援助を集め修復作業に着工しました。
これにより午門の崩壊を防ぐことができたと言われています。
2017年には当時天皇陛下だった上皇両陛下もフエの地を訪れ、午門を通られました。
上皇両陛下を先頭に長い行列が作られ、当時の衣装を身にまとった演者の演出は見事。まるでグエン王朝が再現されたかのようでした。
そんな午門の見所は、なんといっても見事な装飾です。
よくみると細かい細工がしてあり、中国の影響を受けたとされる龍もあります。午門の上には丁寧なデザインをした鳳凰まであしらわれているので、風格すら感じます。
また王宮跡があるこの地は、ベトナム戦争の激戦区でした。午門の壁には当時から残っている弾痕を見ることができます。
午門を見学出来るツアーのご紹介
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ベトナム広しと言えど、伝統的な宮廷料理が残っているのはここフエだけ。フエでとれる食材を使った、王朝時代より伝わる宮廷料理をお召し上がりいただけます。
フエ王宮午門の見学ワンポイントアドバイス
午門は王宮から見て南側に位置します。
観光客が王宮に入るにはこの門のみ。皇帝が使っていた中央の門は閉鎖されたままなので、左右の門から入園します。
午門をくぐると目の前には王宮が見えます。
王宮までの長い道の左右には池が設けられており、左側では皇帝が使っていた像や馬が変われていました。
右側は、兵士たちの家屋が建てられていたといわれています。
現在はその姿を見ることはできませんが、王宮に行くと当時の様子を再現したジオラマがあるのでぜひ見てください。
入場券を買わなくても外から見ることは可能
内側からは午門の向こうにフラッグタワーが見える
午門は、グエン朝王宮の入り口です。出口は別の門から出るようになりますので、王宮内に入る前にしっかり写真撮影しておきましょう。
写真は正面からもいいですが、目の前に広がる蓮の池と一緒に撮るのもおすすめです。
グエン朝王宮に入るためにはチケット購入が必要ですが、この午門に売り場があります。王宮巡りをする場合は売り場を間違えないようにしてください。
午門のいちばん美しい姿は夜のライトアップ。幻想的な雰囲気で、近くの広場からも十分見られます。
昼間はしっかり王宮の見学をして、夜の散策で午門を見るのもおすすめです。
午門の場所(Google MAP)
午門はフエ王宮の南側、観光客にとっての入り口となる場所にあります。
ホテルが立ち並ぶ新市街側から、フーン川を越えた旧市街側にあり、高さ約55mのフラッグタワーを目印に目指すと迷うことなくたどり着けるでしょう。