太和殿とは
Thai Hoa Palace
グエン朝王宮の中央部にある太和殿は、もっとも重要な宮殿です。正殿として機能しており、即位式や体朝の儀などが行われていました。
中国の太和殿を模範して建てられており、皇帝の権力を象徴する龍が至るところに描かれているのが特徴です。
1968年、テト攻勢により完全に壊滅され、のちの1970年に建て直されました。
太和殿の歴史と見どころ
グエン王朝の初代皇帝ザーロン帝が1804年に建設を始め、1805年に完成しました。中国の紫禁城をデザインに作られたフエ王宮は、太和殿も中国を参考にしています。高さは11.8m、幅は44m、奥行きは30.5mの大きさです。
実際に中国の太和殿を見た方は、フエの太和殿の規模の小ささにガッカリする方もおられます。中国との権力の大きさの違いも関係しているのかもしれません。しかし、グエン王朝はとても繁栄していたんです。その様子はCGでも再現されているので、ぜひ見学してみてください。
太和殿では、1806年にはザーロン帝が即位式を行い、宮中祭事も開かれました。その後も各皇帝の即位式は行われたものの、宮中祭事はそれほど行われませんでした。
この太和殿はフエ王宮の中でも神聖で重要な場所、女性が入ることは許されず、皇后も禁止されていたといわれています。
ミンマン帝が皇帝になった1833年に、太和殿は改修工事が行われました。そこから100年以上平穏を守り続けていましたが、1948年にフランス軍と交戦が繰り広げられます。激しい衝突となりましたが、太和殿は奇跡的に無傷でした。
しかし、1968年に起こったテト攻撃で無残にも壊滅されてしまいました。ベトナム戦争中のさなかでしたが1970年に建て直され、その姿を今に残しています。
中国紫禁城の太和殿を参考に建築されましたが、フエの太和殿はベトナム建築を取り入れています。特徴的なのは前殿と正殿を回廊でつなぐというものです。回廊から外を見渡せば、吐水口にある怪魚の装飾が見られるので、この景色も楽しんでください。
1899年には、太和殿前に植木鉢が並べられ華やかな印象になりました。現在も花壇にはカラフルな花々が植えられています。
内部は約80本もの柱を使っています。柱には豪華な龍の装飾が描かれており、フエ王宮の権力が偉大だったことを物語っています。中央には皇帝が使っていた黄金の王座が置かれているのもポイントです。
内部は写真撮影が禁止なので注意してください。
太和殿を見学出来るツアーのご紹介
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フエ王宮 太和殿の見学ワンポイントアドバイス
午門を抜けると目の前に見えてくるのが太和殿です。太和殿には丹陛と呼ばれる階段があり、見事な龍の彫刻が装飾されています。
丹陛前の両端には、中国の伝説にも出てくる獅子の置物があり金色に輝いています。また正面には銅製の櫺星(れいせい)と呼ばれる門も見もの。
太和殿の前には拝庭があり石碑が並べられています。この石碑は、儀式のとき武官と文官が地位の順番に並んでいたものをそのまま表しています。役職も書かれているので、当時の役職がどのようなものだったか、石碑も注意深く見てください。
遺跡に絡まる巨大な木の根
美しい女神デバター像のレリーフ
また、太和殿は外部にも内部にも多くの龍が施されています。内部は写真撮影が禁止なので、しっかり目に焼き付けておいてください。
ベトナム建築で建てられた太和殿の屋根には9つの龍がいます。中国の紫禁城よりも多くの場所に龍の装飾が用いられているフエ王宮。中国には九龍という地もあるように、9という数字には色んな意味があります。現地のガイドさんに聞くと詳しく教えてくれるでしょう。
太和殿には冷房が完備されていません。とくに昼間は蒸し暑いので、暑さ対策をしっかりしてください。
夜には太和殿もライトアップされます。時期により夜間も入場可能なので、幻想的な雰囲気を楽しんでください。
太和殿の場所(Google MAP)
フエ王宮、入り口となる午門をくぐってまっすぐ進んでいくと初めに見えてくるのが太和殿です。
奥には中庭とそれを囲む回廊があり、太和殿が中心としての役割を担っていたことを示しています。