タントアン橋
Thanh Toan Bridge
タントアン橋はフエの日本橋とも呼ばれている橋です。
フエ市街から約8㎞の場所にあり、周りは田園風景が広がるのどかな場所。
もともとこの地には橋はなく、川を渡るのが大変でした。そこで一人の女性が村のためにこの橋を建設し、現在は村人の憩いの場として親しまれています。
タントアン橋の歴史と見どころ
タントアン橋は1776年に建てられました。この橋を建てたのは中国系の女性です。
この女性はもともとハノイ出身の人で、結婚を機にフエにやってきました。一時はハノイに帰った時期もありますが、再びフエに戻ったときに川を渡ることが大変だと気付きます。
女性の旦那さんは地位の高い人ということもあり、私財を投資して橋が完成しました。
タントアン橋ができた当初は7つの部屋があったといわれています。中央には祭壇を設けた部屋がありますが、ここはいつも締まっています。
この祭壇は、タントアン橋を作った女性のものらしいです。
ゆるやかにカーブしたタントアン橋は、ベトナムでは「上家下橋」として親しまれています。
この意味は、橋の上は家のようにくつろげる場所だが、その下は立派な橋になっているという意味です。
夕方には多くの地元民がくつろいでいる
どことなくホイアンの日本橋を思わせる
緩やかなアーチ状の橋は角材を使用して作られており、当時の建築としてはとても珍しいもの。なぜアーチ状に作ったかというと、川岸が低く船が通過できないからです。
木造建築の橋は、天候や戦争により何度も破損しましたが、橋の中枢部分は当時のまま残っています。
中国系の女性が作ったとだけあって、控えめながら中国風の木彫りや陶器の飾りが施されており、中国建築を思わせる雰囲気です。
天井にも陶器のモチーフが飾られているので、こちらもぜひ見学してみてください。
「フエの日本橋」と呼ばれているタントアン橋ですが、日本とはまったく関係がありません。しかしJICAの村おこしで、ホイアンにある日本橋と似ていることから、そのように呼ばれタントアン橋は注目されるようになりました。
1990年にベトナムの文化遺産として認められ、観光地として知られるようになりました。
タントアン橋を見学出来るツアーのご紹介
貸切!フエ市内1日プライベート観光ツアー
ツアーの魅力と見所:
見どころが多いフエだからこそおすすめの、自分のペースで周れる貸切ツアー。
グループツアーでは訪問場所は選べませんが、自由に訪問場所をアレンジできるのが貸切ツアーの特権です。
また、他のツアーとは違い、昼食をフエの宮廷料理にアップグレードすることもできます。
ベトナム広しと言えど、伝統的な宮廷料理が残っているのはここフエだけ。フエでとれる食材を使った、王朝時代より伝わる宮廷料理をお召し上がりいただけます。
タントアン橋の見学ワンポイントアドバイス
タントアン橋はフエ市街から約8㎞の場所にあります。タントアン橋へ向かう途中は、どこまでも続く田園風景が広がっています。
近隣には農具博物館が建てられているので、タントアン橋と合わせて見学してみてください。
タントアン橋は小さな橋なので、これだけ目当てに行くと物足りなく感じられるかもしれません。周辺には多くの寺院や祠があるので、合わせて観光するのがベストです。
のどかな雰囲気を味わうなら、ボートに乗るのもおすすめ。また、自転車で回ると心地よい風が当たって風情を感じられます。
のどかな橋からの景色
中央部には祭壇が残る
タントアン橋は観光地化が進んだため、土日は比較的多くの人が訪れます。周辺ののどかな雰囲気も一緒に味わいたいなら、ぜひ平日に訪れてみてください。
またタントアン橋でいちばんおすすめな時期は10月です。
この時期、村や寺院の祭りが多く開かれるので、地元の祭りに参加できるかもしれません。
さらに、タントアン橋を作ったとされる女性の命日が10月。命日を祝ったお祭りがタントアン橋周辺で開かれるので、運が良ければそれも見ることができるかもしれません。
タントアン橋の場所(Google MAP)
タントアン橋はフエ中心部から東に8kmほどはずれた場所に位置しています。
新市街からは車で15分ほど。併せて訪れやすいロケーションです。中心部から徒歩だと1時間以上かかるためおすすめしませんが、涼しい日であれば自転車を借りて訪れるのもおすすめです。