Bayon Pastry School Coffee Shop（バイヨン・ペストリー・スクール・コーヒーショップ） - シェムリアップオススメのお店

女性の未来を照らすフランス系NGOペストリースクール

細い小道を通り抜けると見えてくる黄色い門が目印の建物、こちらが『Bayon Pastry School Coffee Shop』（以下「Bayon Pastry School」と称する）です。シェムリアップ市街の中心からほど近いのですが、表の通りからはわかりにくく、小さな看板だけが目印となります。緑豊かな庭の奥に建つ建物は一見アパートメントのようで、一瞬驚くかと思います。実際、この建物はペストリースクール兼生徒たちが共同生活をする寮になっているのです。

Bayon Pastry Schoolは、フランス系のNGO“バイヨンスクール”が運営している職業訓練校です。あるフランス人が、バイヨン寺院近くにいる孤児たちに教育をしていた修道士と出会い、この修道士が亡くなった時に彼は使命を感じ、修道士の意思を継ぐことを決意してバイヨンスクールを設立したというストーリーがあります。このバイヨンスクールはアンコール寺院周辺に住む恵まれない子供や若者たちに、無料で質の高い教育を提供し、バイヨンスクール全体としては約400人もの生徒たちに教育の支援をしています。

Bayon Pastry Schoolに関しては女性のみを対象としています。なぜ女性のみかというと、女性の場合は結婚が早いために満足な教育が受けられなかったため、給料が安かったり、やる気はあっても不安定な職にしか就けないという問題があります。これを改善するためにパティシエとして専門的な技術を身につけ、将来の安定した雇用を得られるようにするため、2014年9月にBayon Pastry Schoolは設立されました。

生徒たちが一生懸命作った焼き菓子やケーキ

生徒は毎年約20名が選ばれて入学します。11ヶ月のトレーニングの間、4ヶ月間はインターン期間となり、フランス人のパティシエの先生のもとお菓子作りを学びます。さらに英語や数学、会計、パソコンの使い方、自己啓発など、さまざまなことプログラムも含まれているようです。

併設されているカフェは水色を基調とし、庭を眺めながらゆったりくつろげるテラス席になっています。ショーケースには作りたてのケーキと焼き菓子が並び、ブラックボードにはドリンクメニューが描かれています。おすすめは、なめらかなチョコレートが溢れるフォンダンショコラ、鮮やかなピンクで甘酸っぱいラズベリームース、そして酸っぱくて爽やかなレモンメレンゲパイです。焼き菓子では、フィナンシェやポピーシードパウンドケーキも美味しいですよ。さらに、最近はベーカリーやキッシュなど種類も増え、オリジナルのジャムやピーナッツバターなどの商品も販売しているようです。

美味しいケーキを食べることで、彼女たちの貧困から抜け出せるサポートができるのは素晴らしいことですが、それだけではありません。彼女たちは、実際にカフェで接客することによって、私たちお客さんの反応を目で見ることができるので、モチベーションに繋がっていくことになります。カフェからはキッチンが見えるので、運が良ければ生徒たちがお菓子を作っているところも見えるかもしれません。