プノン・バケン寺院 遺跡とは
About Phnom Bakheng Remains
プノン・バケンはアンコールワットのすぐ近くにありますが、作られた年代はもっと古く9世紀末にハリハラーラヤ(現ロリュオス)からアンコールに遷都を行ったヤショーヴァルマン1世によって建設されました。
アンコールを王都(ヤショーダラプラ)と定め、遷都後最初に建設した環濠都城の中心地がプノン・バケンです。3聖山の1つであるプノン・バケンはアンコール遺跡群の中で最も高い場所にあり、最高部が65mあるアンコールワットですら見渡せます。
アンコールワットが朝日の名所なら、こちらは夕日の絶景ポイントとして一番の人気を誇ります。最も高い所で見る夕日鑑賞は昔も今も人々を惹きつけてやみません。
プノン・バケン寺院の歴史と見所
ヤショーヴァルマン1世はハリハラーラヤでロレイなどを建設しました。跡目争いにより王宮が破壊されたので、アンコールへと遷都します。その際に選んだのが、プノン・クロム山、プノン・ポック山、とともにアンコール3聖山にあげられるプノン・バケン山です。プノン・バケン山を中心とした環濠都城を作り、王都ヤショーダラプラとしました。
そして、国家の中心寺院として須弥山(ヒンドゥー教においての世界の中心の山)に見立てた丘上型ピラミッド様式の寺院を建設したのです。標高60mの山の上に40mの高さで築かれ、6層のピラミッド型基壇に5基の祠堂が乗る構造になっています。
アンコール最初の寺院の五の目形配置は以降のピラミッド型寺院の原形となりました。中心塔の周囲は108基の小塔が囲みます。展望台からはアンコール一帯を見渡すことができ、アンコールワットの5基の尖塔全てを見ることができます。
アンコール遺跡群の中で最も高い場所にある主祠堂の壁面に彫られている美しいデバター像が有名です。繊細に彫り込まれたデバターの他、頭上に舞う天女(アプサラス)にも注目しましょう。
アプサラスはヒンドゥー教の天地創造のお話「乳海攪拌」で生まれた天女です。
舞いの名手で、今に受け継がれる伝統舞踊「アプサラダンス」に名前が残ります。
聖牛ナンディン像とリンガがあるのはロリュオス遺跡の名残でしょうか。施主が一緒なので、シヴァ神を祀るという共通点があるのかも知れません。
登山口から歩いて20分ほど。かなり急な階段を上ってたどり着く天上の寺院はこの地に遷り澄んだヤショーヴァルマン1世のスタート地点であり、周囲を平定したいという野望のあらわれでもあるのです。
プノン・バケン寺院の姿は、ふもとから見上げても見えないようになっています。正面の階段を上って初めて寺院全景を視野にいれることができるのです。これは跡目争いから逃れて、この地にやってきたヤショーヴァルマン1世の仕掛けなのでしょう。
東門に祀られているのは仏陀の足跡です。プノン・バケン山に降臨した仏陀が参道を下って行った時についたとされる足跡が祀られています。内側にはアンコール遺跡によく見られる経蔵があり、内部には仏像が設置されています。
プノン・バケンの名をここまで有名にしたのはサンセットの美しさで、アンコール遺跡の中でナンバー.1のベストポイントと言われています。夕日だけでなく朝日も美しく、サンライズ鑑賞ではアンコールワットに次いでナンバー.2の地位を獲得しました。
但し、プノン・バケン頂上へは入場規制があり、早朝5時から夜の7時までとなっています。日の出の時間や天気などを確認したうえで、撮影の計画をたてたいですね。
シヴァ神と聖牛ナンディン
プノン・バケンはロリュオス遺跡群と同じくシヴァ神信仰の寺院です。破壊と創造の神であり、現状を打破して新しいものを作り出していく力に満ちた神と言えるでしょう。 リンガはシヴァ神の象徴で、男性生殖器の形をイメージした像です。性器崇拝というわけではなく、儀礼的な目的でシヴァ神を祀る時にリンガの形が使われました。象徴の形の方が使いやすかったのでしょう。
聖なる牛ナンディンは乳海攪拌の時に生まれたシヴァ神の乗り物です。全ての四足動物の守護神でもあり、格の高い聖獣とされています。踊りの上手なシヴァ神が舞う時は、ナンディンが音楽の演奏をします。
聖牛とされる白い水牛
プノン・バケン寺院 遺跡外観
プノン・バケン遺跡を見学出来るツアーのご紹介
定番!アンコールワット+トム+タプローム+夕日鑑賞1日ツアー
【グループ・混載ツアー】ツアーの魅力と見所
世界中から人々が集まるアンコールワットは、アンコール遺跡のお膝下シェムリアップから車で約15分の地点にあります。 鬱蒼と生い茂る木々の中、圧倒的な存在感を放ちながら泰然とした姿をし、一年中絶えることなく観光客を惹きつけて
います。密林の奥深くに眠り続けていたこの遺跡は、実は発見されてから140年しか経っていません広大な敷地内には沢山の彫像が施されており、1日で見て回ることはほぼ不可能です。特に、早朝/夕方に佇むアンコールワットはとても神秘的で、神様が宿っている感覚がします。その姿は見た者全てを虜にするでしょう。日本では味わうことのできない趣を肌で感じてみましょう!!
【貸切】アンコールワット+トム+タプローム+夕日鑑賞1日ツアー
【グループ・混載ツアー】ツアーの魅力と見所
案内するガイドは全員ベテラン!貸切ツアーなので、ガイドを独占しお客様のご要望にそって多少のアレンジが可能です。パノラマビューが見渡せるプノンバケンは夕日観光の名所として人気の遺跡です。アンコール三聖山のうちの一つであるプノンバケン山の頂上に位置しています。自然の地形を生かし6層のピラミッド式の寺院で、その頂上からは360度景色が見渡せます。主祠堂への階段を上るためには階段の前で配られるパスが必要なので要注意。南東の方向にはかすかにアンコールワットの指導が見え、南にはシェムリアップの町が、さらにその奥にはプノン・クロムも確認することができます。西側にはシェムリアップ国際空港と西バライが見え、北東の方向には聖山プノン・ボックも見ることができます。
プノン・バケン寺院 遺跡の歴史
西暦 | 王名 | 遺跡名 |
---|---|---|
889年 〜 910年 |
ヤショーヴァルマン1世 Yasovarman I |
主な建築物:ロレイ、東バライ、プノン・バケン |
プノン・バケン寺院 遺跡の見学ワンポイントアドバイス
標高60mの山上にあります。山頂までは徒歩で20分ほどです。ウォーキング気分で楽しみましょう。
疲れるから歩くのイヤという方は象に乗って上ることができます。
サンセット(夕日鑑賞)の名所だけに日の沈む1時間ほど前から大勢の人々で溢れかえります。絶景のポイントを確保できるように、早目の到着を心がけましょう。
日が沈んでしまうと、あっという間に暗くなってしまいますから、単独行動は避け、早目の下山を心がけたいものです。上り下りとも、とても急な階段を使いますので足元にはくれぐれも気をつけてください。
夕日鑑賞のベストシーズンは11月~5月です。それ以外のシーズンに訪れる場合は別のサンセット絶景ポイントも考えておくと良いでしょう。
プノン・バケンは360度のパノラマ展望なので、遺跡観光の際は最初に訪れるとアンコール地帯の全体像を把握できます。南東方向にアンコールワット、南はシェムリアップの町、西側には西バライ、北東方向にプノン・クーレンなど全方位を見渡せます。
夕日鑑賞の名所、日の沈む1時間ほど前から大勢の人々
最上壇に建てられた5つの祠堂
プノン・バケン寺院の見学の注意点
山を登る際は服装の制限があります
タンクトップやショートパンツ(男性はOK)はいけません。肩や膝の隠れる服装にしましょう。また、他の遺跡と同様に撮影時の三脚使用はNGです。
入場制限があります
主祠堂にいたる階段の手前で配布される入場パスが必要で、300人に入場パスを配布した時点で主祠堂へは入れなくなるので、早めに到着しておく必要があります。
プノン・バケン寺院の場所(Google MAP)
プノン・バケン山のふもとまではシェムリアップ中心部から車で10分ほどかかります。
ふもとから寺院までは20分ほど。南東方向に1,300mでアンコールワット、北に400mのところにアンコール・トムがあります。
つまりプノン・バケンはアンコールワットとアンコール・トムの間にあるというわけです。周囲にはアンコールの遺跡が点在します。