ミャンマー星人の林ツイタチです。ミャンマーの魅力を文章や写真で発信しながら生きています。この記事では【ミャンマーにおけるテロなどの治安】を端的に解説します。
ミャンマーの治安を脅かす少数民族武装組織の存在・・・

ミャンマーには20以上の少数民族武装組織(EAO)が存在します。これらの少数民族武装組織とは散発的に国家政府との対立、衝突が続いています。
これらの少数民族武装組織との対立を収めるためには『停戦合意(NCA)』と呼ばれる署名が必要です。停戦合意とは戦争や武力紛争を行う双方の勢力が戦闘を停止するための協定です。
2015年10月にミャンマー政府と停戦合意を行なった少数民族武装組織は以下の通りです。
- カレン民族同盟(KNU)
- 民主カレン慈善軍(DKBA)
- シャン州復興評議会/シャン州軍南 (RCSS/SSA(A))等
上記を含む8つの少数民族武装組織との間で,全国規模の停戦合意に署名したとのことです。さらに3年後の2018年2月には新たに以下の少数民族武装組織との停戦合意が発表されました。
- 新モン州党(NMSP)
- ラフ民主連盟(LDU)
この停戦合意により10の少数民族武装組織が停戦合意を行なったことになります。
まだ停戦状態ではない部族ってあるの?
未だ停戦合意を行なっていない少数民族武装組織はあります。
- カチン独立軍(KIA)
- シャン州進歩党(SSPP)
- ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA,コーカン軍)
- タアン/パラウン民族解放軍(TNLA)等
2018年12月の情報によると、カチン州及びシャン州北部である中国国境付近を拠点とする少数民族武装組織との間では、依然として戦闘が発生しています。
過去に起こったテロや襲撃事件で現在まで続いているケース
ラカイン州北部

図における橙色部分であるラカイン州北部では、2016年10月及び2017年8月には連続襲撃事件が起こり、情勢不安定化により、70万人以上の避難民が隣国であるバングラデシュ側に流出しています。
この2017年8月に起こった襲撃事件は『ロヒンギャ』のイスラム教主体の反政府勢力による攻撃であり、ミャンマー政府が掃討作戦を展開しているため多くの難民が発生しています。このロヒンギャ問題の影響で、欧米からの旅行者が減少傾向にあったとのことです。
ラカイン州はバングラデシュに接している地域で、このエリアでは、イスラム教徒であるロヒンギャの反政府勢力とミャンマー政府軍との衝突が頻繁に起きています。
特に2018年12月以降は、
- ラカイン州北部マウンドー県
- 同州中部シットウェ県
- ミャウー県
- チン州ミンダッ県
において,国軍とアラカン軍の断続的な戦闘が拡大してきており、不安定な情勢が続いているとのことです。この地域は依然危険な地域です。旅行者は近づかないようにしましょう。
大丈夫か?ミャンマー旅行

危険な地域はあるものの、上記以外の図の黄色(レベル1)に当たる地区は安全が確保されています。外務省の報告によれば『日本人を含めた外国人の誘拐事件は,現在までのところ把握されていない』とのことです。
また併せて『これまでに,ミャンマーにおいてテロによる日本人の被害は確認されていません』との声明が発表されています。
ここに気をつけよう!ミャンマー旅行で被害に遭わないための5ヶ条

外務省が以下のような呼びかけを行なっています。旅行前に目を通しておきましょう。
- 不審な状況や不審物を察知したら速やかにその場から離れてください。
- ミャンマーでは過去にもショッピングセンター,映画館,バス停や市場などで爆弾事件が発生しています。人が多く集まる場所には極力近寄らないよう心がけるとともに,周囲への警戒を怠らないようにしてください。
- ご自身の滞在先,訪問先,緊急連絡先等を家族,会社等で共有しておくとともに,万が一の事態に備え,携帯電話等の連絡手段を携行するようにしてください。
- 爆発事件現場では2つめの爆発が連続して発生する可能性もあるため,事件現場には決して近づかないでください。
- 今回の爆発事件の背景や犯行目的は未だ不明のままですが,特にテロ等の標的となる可能性のある宗教施設,政府機関,軍・警察関連施設には可能な限り近づかないでください。
まとめ
以上です!どんな国にもキケンなエリアは存在します。安全の確保は事前の情報収拾から。キケンな地域には近づかないように!