人気急上昇中のバンコクの寺院「ワット・パクナム」”宇宙”と評される絶景の仏塔の歴史と神秘をご紹介します。

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

タイに今、話題沸騰中のお寺があるのをご存知ですか?訪れた人々が「まるで宇宙」と語るその寺院は、とりわけ日本人に人気を博しています。今回は、息を呑むような異空間「ワット・パクナム」をご紹介します。

ワット・パクナムとは

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

ワット・パクナムとはバンコクのトンブリー地区にある寺院のことです。敷地内には約20もの寺院がありますが、最も注目されているのが、真っ白な大仏塔です。

この大仏塔はタイ国王陛下(故プミポン国王陛下)と王妃陛下の生誕72年の記念として、2004年に起工、2012年に完成した比較的新しい仏塔です。この約80mの大仏塔の内部は5階まであり、最上階には観光客が最も注目しているガラスの仏塔と天井画があります。

ワット・パクナムの歴史

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

ワット・パクナムの建立時の詳細な日付は不明ですが、15世紀後半から17世紀初頭、アユタヤ王朝時代とされています。観光のメインとなる大仏塔はそののちに建てられました。ワットは日本語で「寺院」、パクは「口」、ナムは「河」という名前の通り、寺院の周りには運河があります。日本にも所縁のある寺院で、千葉県成田市に別院が存在します。

ワット・パクナムが有名になったひとつの要因として、この寺院で前僧正を務めていた故ルアン・ポーソッド氏の影響力が挙げられます。ルアン・ポーソッド氏は革新的な座禅、瞑想の手法を説いていたため、当局から批判もありましたが、結果的にタイ国内において大きな影響を与えた人物です。

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

彼が就いていた役職の僧正とは、僧侶の中で最も位の高い官職です。大仏塔4階にはルアン・ポーソッド氏の金の仏像があることからも、この大仏塔がルアン・ポーソッド氏に帰依(神仏や高僧の力を信じてすがること)する人々にとって信仰を象徴する場所であることが伺えます。

ちなみに、バンコクの飲食店などでは時折ルアン・ポーソッド氏の写真が飾られていることがあり、こうした身近な場所からもルアン・ポーソッド氏の影響力を知ることができます。

絶大なインパクトの仏塔と天井画

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

5階建ての大仏塔の最上階には、ワット・パクナム観光のメインである仏舎利奉安塔(仏塔)と天井画があります。まず目に飛び込んでくるのは眩いエメラルドの仏塔です。およそ800枚ものガラスを重ね合わせて作られており、明暗が作り出す深みのあるグラデーションはオーロラさながらです。

仏塔の足元には勇ましい80頭のパヤーナーク(竜王)が取り囲むように配置されており、こちらもガラスを重ねて作られています。周りを装飾している蓮の花もガラス製で、その輝きが仏塔を引き立て、より神々しいものにしています。

そして仏塔に近づいてみるともう一つの見所である天井画がお目見えします。この天井画は「神秘的」、「フォトジェニック」、「サイケデリック」など人によって様々な表情に見えてくるようです。無数に丸く描かれているのは宇宙の星々の輝きです。

奇抜な配色にもかかわらず、どこか素朴な温かみさえ伝わってきます。星の外側を囲っているのは28種の菩提樹と仏陀の生涯図「二十八仏陀」です。時間帯によっては人が少ないので、静けさの中全体を見ているとつい呼吸を忘れそうになるほど圧倒されます。

その他の見所

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

大仏塔内には5階の仏塔と天井画はもちろんのこと、1階のタイ芸術、文化遺産の展示フロアや、3階の博物館など他にも見所が沢山あります。また、お帰りの際にはぜひ扉の裏側にご注目下さい。黄金の緻密な細工が施されています。

拝観時の注意点

服装

タンクトップやミニスカート等、露出度の高い服装を避けましょう。半袖に丈の長いズボンやスカートなどであれば余程問題ないでしょう。館内は土足禁止で靴を脱ぐので、サンダルでも大丈夫です。

拝観時は静かに

館内では騒いだり跳ねたりといった行動は控えて下さい。写真撮影に夢中になってはしゃがないようにしましょう。地元の人や他の観光客の迷惑にならないように静かに拝観して下さい。ワット・パクナムは神聖な場所です。お寺、僧侶、お参りにきている方々に敬意を払って観光しましょう。

アクセス、開館時間

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

ワット・パクナムは地下鉄が延伸したことで、以前よりアクセスし易くなりました。MRTの「バーンパイ駅」から徒歩10分の距離です。

住所:300 Ratcha Mongkol Prasat Road, Bang Wa, Phasi Charoen, Bangkok
開館時間(大仏塔):8:00~18:00
休業日:年中無休
拝観料:無料

5階の仏塔、天井画は静かに見ることでより魅力が伝わると思われますので、出来るだけ人の少ない午前中に拝観することをおすすめします。また、大仏塔内のエレベーターは土日のみ稼動していますが、平日であってもご高齢の方や体の不自由な方は窓口で申し出ることで利用することが出来ます。

まとめ

ワット・パクナム絶景の仏塔の歴史

いかがでしたか?大仏塔の中に広がる小宇宙は必見です!ワット・パクナム観光の際はぜひ白い大仏塔を見学して下さいね!