タイ旅行の定番、アユタヤ遺跡。1991年には遺跡の中心地域である歴史公園が世界遺産にも登録され、タイでの観光から外せない場所です。今回は、かつて華々しく栄えていた古都の遺産、アユタヤ遺跡をまるごと解説します!
目次
世界遺産!歴史公園内の遺跡
世界遺産に登録されたアユタヤ歴史公園には、様々な遺跡が存在します。遺跡ごとの特徴をご紹介します。
ワット・マハタート
木に覆われた仏頭が有名な遺跡です。ビルマ軍に切り落とされてしまった仏像の頭部を、いつしか木が包み込むように茂りました。仏頭の写真撮影をするときなど前に立つ際は、失礼のないように膝をついて必ず頭を仏頭より低くして撮影、見学してください。
他の遺跡にも見られますが、ここの仏像は特に頭部のないものが多いです。これはビルマ軍が侵攻してきた際に持ち去られたもので、当時は仏頭が高く売れたからとも言われています。
ワット・ローカヤースッター
釈迦の入滅した様子を表した大きな涅槃仏で有名です。乾季には黄色の衣をまとっていますが、雨季に入ると衣のないそのままの涅槃仏を見ることができます。巨大な涅槃仏の手前には小さな涅槃仏があります。こちらの涅槃仏には願いを込めて金箔を貼るという日本ではなかなか見られない願掛けを体験できます。
学業成就なら頭、金運アップなら手、商売繁盛は足、営業職など口がうまくなりたい場合は口など、自分が良くなりたいところに貼るとご利益があると言われています。金箔はお供えの花と線香のセットが約20バーツで売られています。ここを訪れた際はぜひ体験してみてくださいね。
ワット・プラシーサンペット
ワット・プラシーサンペットは王宮の敷地を使って建てられました。この寺院は仏像ではなく、トライローカナート王と2人の息子(後の王)たちを祀っています。
漆喰のおかげで特に保存状態の良い、「チェディ」と呼ばれる仏塔が印象的です。3基並んで建てられたチェディにはそれぞれに3代の王の遺骨が埋葬されています。
王宮跡
王宮は徹底的に破壊され、現在見られるのはワット・プラシーサンペットのチェディの隣にある柱や壁と思われる跡だけになってしまいました。敷地内には破壊される前の王宮のミニチュア模型が展示されています。
ウィハーン・プラモンコンボーピット
ここにはタイ最大規模の大仏が存在します。黄金の本尊の体内からは、何百体もの小さな仏像が発見されました。
ワット・ラーチャブーラナ
クメール様式のトウモロコシ型の仏塔「プラーン」が美しい遺跡です。このプラーンは登ることも内部に入ることも可能で、地下室にはタイ最古の壁画が存在します。
ワット・プララーム
敷地の約半分が「ブン・プラ・ラーム池」という池に囲まれた遺跡です。誰がいつ建てたものなのか、建立期に関しては諸説あり不明な点が多い謎多き寺院です。はっきりと分かっていることは、アユタヤの王が埋葬されていることだけです。入場できるのは6時までですが、夜7時からのライトアップは圧巻です。タイの宵に浮かぶプラーン(クメール式仏塔)が静かな水面に映る様は息を呑みます。
ワット・プララームの付近にはゾウの乗り場があり、ゾウに乗りながら遺跡見学ができます。ただ、ゾウに乗っている写真を撮られた後やゾウから降りる時などにチップを要求してくることがあるので気をつけてください。また、ゾウ乗りの価格は変動が激しく、ぼったくりもあるので十分注意してください。
その他の遺跡
歴史公園内の遺跡は夜7時から9時の間ライトアップされるものもあり、昼とは違った姿を見せてくれます。他にも歴史公園内には、ワット・ウォーラチェータ―ラーム、ワット・ローカヤーチェーターラーム、ワット・ウボーソットといった魅力的な遺跡があります。観光客の少ない穴場スポットになっているところもありますよ!
歴史公園外のイチ押し遺跡
歴史公園の外にも素晴らしい遺跡がたくさんあります。その一部をご紹介します。
ワット・パナンチューン
奇跡的にビルマ軍の破壊を逃れたため、縁起の良い寺院として知られています。黄金の本尊は2度目のビルマ軍の侵攻前に、まるで予言するかのように涙を流したという逸話があります。
ワット・プーカオ・トーン
アユタヤの仏塔には珍しい白いチェディ(仏塔)が印象的な寺院です。登ってはいけない仏塔も多い中、ここのチェディは登ることができます。塔の最上部からはアユタヤののどかな田園風景が一望できます。
また、最上部の扉の奥には仏像があります。この仏像はタイでは珍しい赤い仏像で、ここを訪れた際はぜひ見ることをおすすめします。
ワット・タンミカラート
ワット・タンミカラートの黒い仏頭には「この仏頭の前でうそを言った者は死ぬ」という言い伝えがあります。仏頭の本物は今はチャオ・サーム・プラヤー国立博物館に移されていて、現在ここにあるものはレプリカです。
また、ここには膨大な数のカラフルなニワトリの像が並んでいます。なかには人と同じくらいの大きさのものもあり、インパクトは大きいです。
遺跡観光の注意点
遺跡をまわる際にいくつか注意すべき点があります。
1.注意事項の看板
遺跡には「塔に登らないでください」などの注意事項の書かれた看板が設置されています。日本語でも書かれているので、まずは看板をよく見ましょう。
基本的には仏塔や仏像の台座は登ってはいけませんが、通っていいのかわからない場合の判断は、階段や通路がある場所はOK、階段や通路のない場所や塀の上などはNGと覚えておきましょう。
2.服装
神聖な場所なので肌の露出を押さえた服装が望ましいです。また、迷彩柄はタイでは軍人が着るものなので、できるだけ身につけない方が無難です。
3.女性は僧侶に近寄らない
僧侶はたとえ身につけている袈裟であっても女性に触れてはいけないので、すれ違う時には近寄らないように気をつけましょう。
4.仏像には敬意を
仏教に信仰深いタイの人たちは、仏像もとても大切にしています。仏像にも敬意を払いましょう。実際に日本人で、頭部のない仏像に顔をはめて写真を撮って捕まった人もいます。外国へ旅行する際は旅行先の国に対する敬意を忘れずに。
まとめ
今回は、世界遺産に登録されている歴史公園の中の遺跡から、公園の外にあるイチ押しの遺跡までご紹介しました。ご紹介したほかにも、アユタヤのユニークな遺跡はまだまだたくさんあります。
一見、観光客の少ない遺跡にも、新しい発見があるかもしれませんね!ぜひ様々なアユタヤ遺跡に訪れてみてください。