中国の食文化の影響を受けているベトナムでは、滋養強壮などを目的にいわゆる「ゲテモノ」を食べる事があります。日本人からするとギョっとする物もありますが、いざ食べてみると意外にも美味しくて、ハマってしまう人も少なくありません。
そこで今回は、ベトナム旅行で試してほしいゲテモノ5種類と、実際に食べてみた感想、気軽に食べられるホーチミンのレストランなどを紹介していきます。少しでも気になった方は、ぜひ文化体験だと思ってチャレンジしてくださいね。
※ここからはリアルな写真も出てきますので、苦手な方はご注意ください。
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ベトナムのゲテモノ5番勝負!第1回戦「カエル肉」
引用:https://theechvn.com/gioi-thieu
世界的にポピュラーな「カエル肉」は、ベトナムでも日常的に食されています。郊外で養殖したり隣国から輸入した食用ガエルは、むき身や冷凍、生きたままの状態で出荷され、ローカル市場やスーパーで販売されています。
ベトナムのカエル料理はバリエーション豊富で、カエル煮・揚げカエル・焼きカエル・カエル炒め・カエル鍋など色々ありますが、どれも普通に美味しいです。
鶏肉をやや淡泊にした味、プリプリとした柔らかい食感、骨が多くてたまにカエルの「手」が見えると現実に引き戻されますが、味だけなら鶏肉と間違えるくらい美味しいです。
引用:https://theechvn.com/gioi-thieu
ホーチミン1区でカエル料理を食べるなら、シンガポール風カエル粥が人気の「The Ếch」をオススメします。店名は直訳で「ザ・カエル」です(笑)。
甘辛く煮込んだカエル肉の土鍋と、白いお粥が別添えで出てくる不思議な料理ですが、味が濃くて美味しいです。見た目もあまりグロではないので、抵抗なく試せると思います。
<店舗情報>
ベトナムのゲテモノ5番勝負!第2回戦「タニシ」
引用:Foody
日本では、田んぼを荒らす外来種として知られるジャンボタニシですが、ベトナムでは貝料理店などで当たり前に「タニシ」を食べます。東南アジアではストリートフードとしても親しまれ、道端でタニシ屋台に遭遇する事もあります。
そんなタニシの味は、もう何とも言えない泥臭さで……(泣)噛むと口内に苦みが広がって、そのままではとても食べられません。
濃いタレに付けたり、他の具材と一緒になっていれば大丈夫だと思いますが(そもそも小さいので味もよく分かりません)、茹でタニシ・蒸しタニシを食べる時は、自分でしっかり味付けするのを忘れないでください。
引用:Foody
もし食べてみたい方は、ホーチミン1区の貝料理レストラン「Ốc Đào」や「5KU – Thế Giới Ốc」でオーダーしてください。
怖いもの見たさで試した「タニシのココナッツ煮」の味は衝撃的でしたが、タニシ以外の貝料理はすべて美味しいのでオススメです。ハノイではタニシ麺や、タニシモドキの肉詰めなどがあり、そちらは初心者にも挑戦し易い味でした。
<店舗情報>
Ốc Đào
5KU – Thế Giới Ốc
ベトナムのゲテモノ5番勝負!第3回戦「マムトム」
ベトナム北部発祥とされる、紫色をした悪魔のペースト「マムトム」。塩漬けにした小エビを発酵させて作る調味料で、ベトナム版塩辛とも言われています。現地では料理のコク出しやタレとして使われ、ベトナム人はみんな大好きな味なのですが…。
このマムトム、臭いがキツ過ぎて食べ始めはかなり辛いです。生臭さと発酵した臭いが入り混じって、鼻の奥がツ~ンとなり涙が出そうなほどに辛い。
しかし、食べ進めるうちに嗅覚がマヒしてきて、マムトムの本来の味が感じられるようになります。しょっぱくて独特の旨味があり、「慣れてしまえば美味しい」調味料だと思います。
引用:Đậu Homemade
マムトムにチャレンジしてみたい方は、ハノイ名物ブンダウマムトムを食べに行きましょう。揚げ豆腐や米粉麺の盛り合わせをマムトムにディップして食べる料理で、ホーチミン1区にある専門店「HÀ NỘI QUÁN」がオススメです。
なお、マムトムには唐辛子やライムの絞り汁などを入れて、自分好みにカスタマイズして食べるのがお約束。味も少しマイルドになるので、ぜひ試してみてください。
<店舗情報>
ベトナムのゲテモノ5番勝負!第4回戦「血の塊」
引用:VnExpress
ベトナム語でフエッと呼ばれている赤黒い「血の塊」は、中国の猪血湯という料理によく似ています。豚やアヒルの血に塩を加えて蒸し固めたもので、スープと一緒に食べるのが一般的。ベトナムでは麺料理の具材として使われ、やはりスープをすすりながら血の塊も食べている人をよく見かけます。
字面のとおりややグロテスクな見た目ですが……これが想像以上に食べやすい!血生臭さは全くなく、ほのかな塩気が感じられて、さっぱりとした味わいです。
少し固めの豆腐のような食感に、ツルっとした口当たりも◎。これまで紹介したゲテモノ類の中でも、一番抵抗なく食べられました。
ホーチミン1区で血の塊にチャレンジするなら、カニ入り麺料理のバインカンクアが有名な「Bánh Canh Cua 87」へ行きましょう。カニ出汁のスープにプルプルのタピオカ麺、そして血の塊が驚くほどにマッチして、ゲテモノどころか好物になってしまう事必至です。
<店舗情報>
ベトナムのゲテモノ5番勝負!第5回戦「孵りかけ卵」
ベトナムを始めしたアジア各国で見られる「孵りかけ卵」は、孵化直前の卵を茹でたもので、現地ではホビロンと呼ばれています。主にウズラやアヒルの有精子卵を使用しており、滋養強壮に良いソウルフードとして、おやつやおつまみ代わりに親しまれています。
見た目はかなりハードで、殻をむくと雛らしき物体がコンニチハしています。卵を食べるときは殻の1/3を割って、汁ごと中身を啜るのですが……問題の味はというと、実はとっても美味しいんです!!鶏の出汁とジューシーな鶏肉を一緒に食べているようで、グロテスクな見た目からは想像もつかない味。
成長が進んでいる卵はやや臓器っぽさを感じますが、ライム塩につけて食べれば大丈夫です。ホビロンは道端にある屋台や、先述した貝料理店の他、どこでも気軽に食べる事が出来ますよ。
個人的には夜の屋台で食べる方が、視覚的にも誤魔化されて美味しく感じられました。
ベトナムのゲテモノ予備軍「ドリアン」
最後に、ゲテモノとは言い難いですが、とても素面では食べられない「ドリアン」を紹介しておきましょう。フルーツの王様とされるドリアンは、ベトナム人も大好きな果物です。旬の季節(5月~9月)になると、市場やスーパーなど各所に出回り、街中がドリアンの香りに包まれます。
肝心の味はいかがなものかというと……ベトナムの友人いわく、独特な風味がクセになりそうで、やめられない美味しさなのだとか。筆者は強烈な臭いに味わう余裕もなくリタイアしましたが、量をこなして慣れるしかないでしょう。ちなみに、シントー屋さん「Five Boys」のアボカド&ドリアンのスムージーは、なんとか飲み干す事ができました。気になる方はお試しあれ!
<店舗情報>
ベトナムのゲテモノ土産を購入しよう!
ゲテモノ類を実際に食べてみて大丈夫だった方、むしろ好きになってしまった方は、ぜひベトナム土産として持ち帰りましょう。
現地のコンビニでは「かえる粥」、スーパーの調味料コーナーでは「マムトム」、お土産店では「ドリアン」のドライフルーツやチップス、キャンディーなどを購入できます。但し、物によっては機内持ち込みNGとなるため、臭いが漏れないようしっかりと梱包し、キャリーケースに入れて持ち帰りましょう。
本当は食べない方が良い?ベトナムのゲテモノ事情
今回ご紹介した以外にも、ベトナムにはたくさんのゲテモノ類があり、ゴカイ・犬・猫・ウサギ・ネズミ・昆虫・動物の生き血などを口にする人もいます。
みなさんも挑戦するのは自由ですが、特に犬食はベトナム政府が推奨していない点に留意しておきましょう。
犬食文化を持たない観光客への配慮に加えて、食用犬が実は誘拐されたペットであったり、飼育中の虐待や不当な取引が行われている背景があるからです。
また、食用向けに適切な処理がされておらず、食べた人が何らかの感染症に罹ってしまうケースもあります。実際に健康被害が出た事例もあるため、食べる方は事前に安全なお店をリサーチしておき、あくまでも自己責任で試すようお願いします。
まとめ
以上、ベトナムのゲテモノ類の紹介と、現地で食べる時の注意点についてお伝えしました。ひとくちにゲテモノといっても、それは日本の旅行者から見た話で、意外にも美味しくて身近な食べ物である事が分かりました。
最初は躊躇してしまうかもしれませんが、ベトナムの食文化を知るためにも、ぜひ1度は食べてみてください。仮に食べられない味だったとしても、ベトナム旅行の良い思い出になるはずです!