ベトナムの可愛い食器をお土産に!バッチャン・アマイ・ミンロンなど人気ブランドのお土産店を厳選

ベトナム旅行で買うべき人気のお土産といえば、現地で買える様々な種類の「食器」です。ベトナムの伝統文化を誇る「バッチャン焼き」を始めとした工芸品や、ハイセンスな現代風デザインを提案する「amaï(アマイ)」などのブランド品は、日本人観光客の間でも特に人気があります。しかも1枚数百円から購入できるとあって、食器マニアのお財布にも優しいのがベトナム食器の素晴らしさ。

そこで今回は、バリエーション豊かなベトナムの食器類を紹介すると共に、実際に購入できるお土産店や商品の選び方、持ち帰り方のコツなどもお伝えしていきます。ベトナムのお皿に秘められた魅力を、余すところなく堪能してください!

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ベトナム陶器の歴史と時代の変化

まずは簡単に、ベトナムの陶器の歴史をおさらいしましょう。世界中で古代遺跡から様々な土器類が出土したように、ベトナムでも約1万年前に作られた土器が発見されています。当時は簡素な素焼きの物でしたが、その後は中国の影響を受けつつ独自の技術を磨き、15世紀に入るとバッチャン焼きの製造が盛んに行われました。

やがて陶器作りはベトナム全土に広がりましたが、一部の民族の衰退やベトナム戦争の影響などにより、たくさんの窯場が姿を消したと言われています。残された陶器や製造技術は、今やベトナムの貴重な文化遺産となり、国を挙げてそれらの保存・継承に取り組んでいます。

また、外国人観光客の増加やインバウンド政策もあってか、バッチャン村バウチュック村といった陶器作り専門の工芸村への認知も高まり、毎年何万人もの観光客が国内外から訪れています。そうした中で伝統的な食器類への需要は高まり、気軽に買える旅行土産としては勿論、希少価値の高いアンティーク品としても扱われるようになりました。

最近は外国人や若手デザイナーが新たな陶器ブランドを立ち上げる事もあり、陶器市場はますます活性化を見せています。それでは次に、ベトナムの有名な食器類を見ていきましょう。

ベトナム土産に食器を買うなら「バッチャン焼き」一択!

引用:Ajisai Việt Nam (@AjisaiVietNam072013)

ベトナム土産として人気No.1の食器といえば、伝統工芸品の「Bát Tràng(バッチャン)」焼きです。ろくろを使わず型に流し込んで作るバッチャン焼きは、やや厚みのある淡いクリーム色に焼き上がり、細かいひび割れ(貫入)が素朴な風合いを感じさせてくれます。そこへ職人が一つ一つ手作業で絵付けをしていき、鮮やかな赤絵や青絵のトンボ・菊・蓮の花といった自然の模様を描いていきます。

引用:GỐM SỨ BẢO KHÁNH

生産地のバッチャン村は、ハノイから15kmほどの郊外にある、人口5,000人程度の小さな村。かつては中国雲南省から続くホン川(紅河)を伝って、世界各地へとバッチャン焼きを輸出していました。今も川沿いに100軒程の工房が残っており、村民の9割を占めるバッチャン焼き職人達が新たな作品を生み出しています。

食器のバリエーションはとても豊富で、レンゲや小皿、調味料入れ、小さなコースターなどはお土産にぴったり。丸皿・角皿のサイズも大小様々で、お椀やどんぶり、蓮茶を淹れる茶器のセットまで、食卓で使える食器が一通り揃います。

ホーチミンで買うなら、1区にある「Duy Tan(ユイタン)」、ハノイで買うなら「Hàng Da(ハンザ)市場」、現代モノの“ニューバッチャン”が可愛い「Cerender Ceramic Shop」などで購入できます。

<オススメお土産店>
Duy Tan – Saigon Artisan
住所:84 Đ. Lê Lợi, Phường Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh【MAP】
Facebook:https://www.facebook.com/Saigonartisan/

Chợ Hàng Da
住所:Phố Hàng Da, Cửa Đông, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】

Cerender Ceramic Shop
住所:11a Tràng Thi, Tràng Tiền, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】
Facebook:https://www.facebook.com/cerender.homedecor/

ベトナム南部の名物!庶民派食器「ソンベ焼き」を探そう

引用:SÔNG BÉ (@songbe_hcmc)

北部の名産品であるバッチャン焼きに対し、南部ではビンズオン省(旧ソンベ省)産のSông Bé(ソンベ)焼きが有名です。薄茶色でざらつきのある質感に、落ち着いた花模様の絵付けが素朴で愛らしい工芸品。

一般家庭を始め食堂や屋台でも使われる、まさに庶民のための食器でしたが、プラスチック製食器が主流の現代では、重くて割れやすいソンベ焼きは姿を消していきました。ろくろで成形した皿を登り窯に積み上げて低温で焼き上げ、手作業で絵付けをしていく昔ながらの窯元はごく僅か。今では希少価値の高いアンティーク品とされています。

引用:Tuhu ceramics (@tuhuceramics)

ホーチミンでソンベ焼きを探すなら、アンティーク品は1区の「KITO」、現代モノは2区の「TUHU CERAMICS」がオススメです。5・6区のチョロン(中華街)にある食器店や、Bình Tây(ビンタイ)市場でソンベ焼きを見かけたという情報もありますが、本物のアンティーク品かは定かではありません。それでも掘り出し物を探すのは面白く、好みの一枚に出会えた時の喜びは代えがたいもの。気になる方は立ち寄ってみてください。

ソンベ焼きを買う時は、お皿のフチが欠けていたり、細かいヒビや重ね焼きの跡が残っている事もあります。実際に食器として使うのか、飾るだけなのかといった用途も踏まえ、細部までよく確認してから購入してください。そしてお土産に持ち帰る際は、しっかりと梱包してキャリーケースに入れましょう。

<オススメお土産店>
KITO
住所:13 Đ. Tôn Thất Thiệp, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh 70000【MAP】

TUHU CERAMICS
住所:Hẻm 11 Nguyễn Ư Dĩ, 4 Nguyễn Ư Dĩ, Quận 2【MAP】
Webサイト:https://tuhuceramics.com/

Chợ Bình Tây
住所:99 Trần Bình, Phường 2, Quận 6, Hồ Chí Minh【MAP】
Webサイト:http://www.chobinhtay.gov.vn/

女子旅のお土産には、「アマイ」のお皿を指名買い!

引用:amaï (@amaiceramics)
オランダ語で“驚き”を表す「amaï(アマイ)」は、その名のとおり斬新な形でベトナムの魅力を伝える食器ブランドです。独特な曲線を描いたフォルムと、鮮やかパステルカラーが目を引くアマイの食器は、バッチャン焼きに心を打たれたオランダ人・ベルギー人女性が考案したもの。

バッチャン村の土やカオリンを配合した生地を1,200℃の高温で焼き上げ、カラフルな釉薬をかけて仕上げています。可愛らしい見た目とは裏腹に、薄い・軽い・丈夫と三拍子そろった機能性食器として、食器マニアの女性達から支持を得ています。

引用:amaï (@amaiceramics)

アマイのお皿をお土産に買うなら、ホーチミンのドンコイ通りにある「amaï central」や2区の「amaï house」ハノイの旧市街にある「Dragon Fly」がオススメですが、お土産用にたくさん買いたい・色々な種類から選びたいという方は、amaï houseを訪れると良いでしょう。個人的には「Stone」という商品名の一輪挿しがお気に入りで、1つ700円ほどで購入できますよ。

<オススメお土産店>
amaï
Webサイト:https://www.amaisaigon.vn/
– amaï central 住所:87 Đồng Khởi, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh【MAP】

– amaï house 住所:83 Xuân Thủy, Thảo Điền, Quận 2, Hồ Chí Minh【MAP】

Dragon Fly
住所:10 Tố Tịch, Hàng Gai, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】

アウトレットで安く購入!ベトナムの高級食器「ミンロン」

引用:Minh Long I Co. Ltd

みなさんは「Minh Long(ミンロン)」という食器ブランドをご存知でしょうか。1970年創業の高級陶磁器メーカーで、富裕層を中心に愛用されるベトナム版“ロイヤルコペンハーゲン”です。国賓への贈答品を始め、5つ星ホテルや高級レストラン、ベトナム航空のビジネスクラスでも使われており、国内屈指の高級食器ブランドとして台頭しています。

工場では2,000人以上の職人が従事しており、毎月300万点もの食器類を生産しているのだとか。創業から50年、これまでに製造した食器はおよそ7万種類にのぼり、貴重なものはショールームで見学する事ができます。

引用:Gốm sứ cao cấp Minh Long I (@minhlongcompany)

そんなミンロンの食器、さぞかし高いのかと思いきや……安いものは1点200円程度で購入できます。ハノイのロンビエン区やホーチミン郊外のビンズオン省にあるショールームなら、アウトレット品がなんと100円以下で売られている事も。

1~2枚買うだけならサイゴンセンター内にある「Q HOME」で十分ですが、お土産用にまとめ買いしたい方、ミンロンで一式揃えたい方は、ぜひショールームに立ち寄ってみてください。とにかくお買い得です。

<オススメお土産店>
Minh Long
Webサイト:https://minhlong.com/

– Ha Noi Showroom 住所:3-5 Nguyễn Văn Linh, P, Long Biên, Hà Nội【MAP】

– Binh Duong Showroom 住所:Thuận Giao, Thuận An, Binh Duong【MAP】

※その他店舗はWebサイトを参照

Q.HOME
住所:Unit 15-16, Level 4, Saigon Centre, 67 Đ. Lê Lợi, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh【MAP】
Webサイト:https://qhome-vn.com/

港町で作られたアンティーク風「ホーロー食器」がかわいい!

引用:Sắt tráng men nhôm hải phòng (@lychinhuy)
ハノイのカフェやキッチン用品店では、おもちゃのような見た目の「ホーロー食器」を時折見かけます。ほとんどの品は、北部沿岸の港町ハイフォン市で生産されており、丸みのあるフォルムやポップな花柄がレトロ可愛いと評判で、日本人女性がお土産に買って帰る事も多いのだとか。

旅行者の間では、旧市街を北上したHàng Cót(ハンコット)通りにある、「Đại lý Nhôm Hải Phòng(ダイリーニョムハイフォン)」のホーロー食器が人気です。新品なのにホーローが一部剥がれていたり、フチの色が若干はみ出ていたり、形が少々いびつだったりしますが、このアンティーク感がたまりません!個性豊かなホーロー食器をお土産に持ち帰ったら、色々な用途で使ってみましょう。

<オススメお土産店>
Đại lý Nhôm Hải Phòng
住所:38A Hàng Cót, Hàng Mã, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】

ベトナムの伝統技術「漆塗り」を手軽なお土産に!

ベトナムの雑貨店では、カラフルな「漆器」をよく見かけます。日本では馴染みのないピンクや水色といった鮮やかな色使いで、小物入れやお椀、箸置きなどのアイテムは女性客に大人気で、ばら撒き土産に買う人も少なくありません。


引用:Tia Sáng

ベトナムにおける漆技術の起源は諸説ありますが、宮殿の装飾に漆を用いた事で漆塗りの文化が広がり、漆絵や螺鈿、漆工といった漆塗りの技法が定着したと言われています。特に北部はベトナム最大の漆産地で、漆塗り職人の村が今でも残っています。

お土産用の漆器はどこでも気軽に購入できますが、職人技が込められた本格的な漆塗り製品は、見ているだけでも楽しいです。時間がある方は、ハノイの「Hanoia House」を覗いてみてくださいね。

<オススメお土産店>
Hanoia House
住所:38 Hàng Đào, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】
Webサイト:https://hanoia.com/

ハノイの食器問屋が集結!ドンスアン市場北側の食器通り


引用:Walking Hanoi

続いては、ローカルな食器類に出会えるおもしろストリートをご紹介します。ベトナムの食堂で使っている本物のローカル食器が欲しい!というマニアの方は、ハノイのドンスアン市場の北側にある、ローカル食器通りに行く事をオススメします。

「Hàng Khoai(ハンコアイ)通り」「Nguyễn Thiếp(グエンティエップ)通り」「Gầm Cầu(ガムカウ)通り」には、食器やキッチン用品の問屋がずらりと並んでいます。

チープな陶器類やビールグラス、茶器、コーヒー用フィルターまで全て入手可能。但し、観光客慣れしている店員さんは少ないので、簡単なベトナム語やジェスチャーを駆使して乗り切る必要があります。

<位置情報>

Chợ Đồng Xuân(ドンスアン市場)からすぐ。
Chợ Đồng Xuân
住所:15 Cầu Đông, Đồng Xuân, Hoàn Kiếm, Hà Nội【MAP】

掘り出し物がザクザク!食器類も扱うホーチミンの骨董通り

引用:Vietpictures Media

ホーチミン美術館の近くにある、通称“骨董通り”と呼ばれるLê Công Kiều(レコンキエウ)通り。狭くて薄暗いお店のショーケースに、年季の入った品々がぎっしりと並んでいます。ちょっと入りにくい見た目ですが、外国人観光客も訪れるスポットなので、買わずに見るだけでも全然OK。

中国っぽい柄のお皿や壺、アンティークのバッチャン焼きと思われる食器も売っていますが、本物かどうかは分かりません。(店員さんいわく本物だそうですが…)ちなみにベトナムでは、骨董品を国外へ持ち出す事は禁止されています。小物であれば一か八かで誤魔化せるかもしれませんが、高価な品を持ち帰る際は注意してください。

<位置情報>
Lê Công Kiều
住所:Nguyễn Thái Bình, Quận 1, Hồ Chí Minh【MAP】

ギネス認定済み!職人技が光る「チューダウ焼き」

最後に、中心地のお土産店で買うのは難しいものの、食器好きなら知っておきたいベトナムの歴史ある焼き物を紹介します。


引用:Làng gốm Bát tràng

首都ハノイと港町ハイフォンの境にあるハイズオン省では、チューダウ村に古くから伝わる工芸品「チューダウ(Chudau)焼き」が有名です。良質な土を使用した生地に、籾殻の灰を使った釉薬をかけて焼き上げたら、自然由来の顔料で絵付けをしていきます。繊細で美しい絵柄は、全て職人の手作業によるもの。

最近では、1枚の皿に1,000文字を施したチューダウ焼きの作品が発表され、ギネス認定された事で話題になっています。その他にも、チューダウ焼きは外交関連のイベントで使用されたり、フック首相がチューダウ村を訪れる姿が報道され、多くの人々が関心を寄せています。

チューダウ焼きを購入するには、ハイズオン省のお店に行くのが確実ですが、ハノイ市内にも一部出回っています。見かけた際にはじっくりと観賞し、お気に入りの1点を持ち帰りましょう。

まさに自然の結晶!東南アジア最古の「バウチュック焼き」

引用:VTV

東南アジアの最も古い陶器村と呼ばれているのが、ベトナム南中部のニントゥアン省にあるバウチュック村です。ここでは、世界遺産のミーソン遺跡と共に残る少数民族、チャム族の伝統技術が込められた「バウチュック(Bàu Trúc)焼き」を見る事ができます。

手びねりで成形した生地に一つ一つ模様を描き、窯を使わず藁で野焼きにしたバウチュック焼きは、まさに自然の姿で生み出された土器そのもの。ベトナムの無形文化遺産にも登録されており、本当に貴重な伝統工芸なのです。

お土産にはあまり向かないかもしれませんが、機会がある方はベトナム人ガイドさんや知人を伴い、バウチュック村の見学に行ってみるのも良いでしょう。チャム族の歴史に触れる貴重な体験ができると思います。

ベトナムの食器を持ち帰る時の注意点

ベトナムで購入した食器類は、しっかりと梱包した上で動かないよう固定し、キャリーケースに入れて持ち帰りましょう。手荷物に入れても構いませんが、重量制限に引っかかったり、貴重なアンティーク品は没収される恐れもあります。検査場で開封するのも面倒なので、キャリーケースに入れた方が良さそうです。

食器類の梱包は購入したお店でやってもらえますが、さらにタオルや洋服などで包んで補強した方が安心です。包材が必要な方は、ハノイの旧市街にある「Hàng Cân(ハンカン)通り」や「Hàng Chiếu(ハンチュウ)通り」、ホーチミンならサイゴン大聖堂の近くにある「Packaging Supply Store」などで、プチプチを購入できますよ。2メートルで100円くらいだったと思います。購入する時間がない場合は、念のため日本から持っていきましょう。

まとめ

以上、お土産に買いたいベトナムの食器類についてお伝えしました。伝統的な工芸品から新しいデザインの現代モノまで、本当にバリエーション豊かですよね。こうした食器を購入して日本で使いこなせば、丹精込めて作り上げた職人さんも喜んでくれる筈です。

皿を知る事はその国の文化を知る事にも繋がりますから、ぜひ興味を持って色々な種類の食器を見てください。実際に手に取って触れてみれば、生産地の美しい風土や職人さん達の笑顔が浮かんでくることでしょう。

ベトナムを訪れた皆さんが、この世で一つだけの素晴らしい食器に出会える事を祈っています!

*記事内で「弊社催行ツアー」などと記載されてるものは現在では提供しておりません。TNKトラベルのツアーはすべて提携ツアー催行会社が提供しております。