初めてのベトナム旅行を計画しているみなさん!現地で何を食べようか、どの観光名所に行こうか、お土産はどうしようか…と考える時間はとっても楽しいですが、ベトナムの「ルール・マナー」についてはご存知でしょうか?日本とは異なる“暗黙の了解”を知らないと、現地でトラブルになってしまう事もあります。
そこで今回は、ベトナムで注意すべきルール・マナー、そしてタブーについて解説していきます。ベトナムの方々と気持ちの良いコミュニケーションができれば、旅の思い出もより一層深まるはずです。ぜひ旅行前にチェックしてください。
ベトナムのチップ・お金事情
ベトナムのローカル向けに提供されるサービスは、基本的にチップ不要です。但し、高級ホテルやバー、観光客向けのマッサージ店では要求される事もあります。
筆者はホテルのベットメイクに20.000ドン(約100円)、マッサージは満足のいく対応であれば50.000ドン(約250円)ほど支払いますが、チップ不要のマッサージ店も多く支払う事の方が少ないです。
また、買い物やレストランでの食事、タクシーでの移動に際しては、1.000ドン(約5円)以下のおつりが省略される事も多いです。例えば29.500ドン(約147.5円)の会計に30.000ドン(約150円)支払うと、相手側が500ドン(約2.5円)札を用意しておらず、おつり無しという場合もあります。
詐欺ではないので清く受け入れましょう。もしも5.000ドン(約25円)以上のおつりを省略されたら、きちんと支払うように伝えます。
ベトナムの食事、テーブルマナー
ベトナムのレストランでは、基本的にお冷とおしぼりは有料です。チャダー(Trà Đá)と呼ばれる冷たいお茶は3.000ドン程度(約15円)で、必要に応じて人数分注文します。
カンラン(Khăn Lạnh)というおしぼりは、自動的に出てくるか始めからテーブルに置いてあり、使うと会計に2.000ドン(約10円)程度上乗せされます。
ローカル店では揚げパンや魚肉ソーセージなどのおかず類も置いてあり、こちらも食べた分だけ支払いとなりますが、ライム・唐辛子・調味料は無料です。会計はすべて各テーブルで行います。
食事のマナーに関しては、器などに直接口を付けない、スープはスプーンや蓮華ですくう、大袈裟に音を立てて啜らない、といった世界の標準的なテーブルマナーを守れば問題ないでしょう。慣れないうちは、パラパラとしたベトナムのお米を食べるのも難しいと思います。現地の人々の様子を観察して、上手な食べ方を身に着けたいですね。
ベトナム観光のルールとタブー
ベトナムの街中は基本的にどこも撮影OKですが、警察官や軍事・政府関係施設の撮影はご法度です。寺院や教会でのフラッシュ使用も禁止されており、場所によっては撮影自体を咎められる事もあります。宗教施設を訪れる際は露出を控え、私語を慎むのも忘れずに。
また、広いフロアで高価な商品を扱うショップでは、入店前に手荷物をチェックされたり、ロッカーに預けるよう指示される事もあります。グエンフエ(Nguyễn Huệ)通り付近にある、ホーチミンの人気お土産店「サトラマート タックススーパー」や、ホーチミンの紀伊国屋とされる「ファハサ書店」がその一例です。
ベトナム語が分からなくても上手く誘導してもらえますので、警備員や店員さんの指示に従いましょう。
ベトナムの衛生面における実態、配慮
「ベトナムの水は飲めるのか」気になる旅行者も多いと思いますが、飲用水としての利用はおすすめしません。うがいや歯磨きに使用するのはOKです。因みに、飲食店のドリンクに入っている氷はほぼ製氷工場から仕入れたもので、氷のせいで大きく体調を崩した話はほとんど聞きません。
また、ベトナムではほとんどのトイレが水洗ですが、トイレットペーパーは流せません。個室の外にトイレットペーパーが設置されている事もあるため、入る前に紙があるかどうか確認し、使用後はゴミ箱に捨てましょう。
そして、ベトナムの街中にはゴミが散乱しているエリアもありますが、決してポイ捨てして良い訳ではありません。タバコを吸うにしても必ず携帯灰皿を持ち歩き、レストランやカフェなどの屋内や、公共施設での喫煙は控えた方が良さそうです。
ベトナム人とのコミュニケーションのコツ
儒教思想を持つベトナムでは、年長者を敬う姿勢が大切にされています。年上に対する人称代名詞が存在し、互いの関係に合わせて挨拶の仕方も変えています。旅行者が使いこなすのは難しいため、気にしなくても構いませんが、お年寄りを敬う気持ちだけは忘れずにいましょう。
また、ベトナムはレディーファーストの概念が強く、特に若い女性には配慮が必要です。ソファ席は譲る、重い荷物は持たせない、食事代はなるべく男性がもつ、といった考えで行動する人も多いです。婚前のベトナム人女性が、外国人の男性と同じ部屋に泊まるのも良しとされていません。売春を疑われて宿泊を断られるケースもあります。
ベトナムの交通機関を利用する時の注意点
地下鉄が開発段階にあるベトナムでは、バイク・バス・タクシーでの移動が主流です。しかし、交通ルールがあまり浸透していないため、信号無視や突然のUターン、逆走などは日常茶飯事です。バイクタクシーに乗るときは、乗客自身も安全面に気を配る必要があります。
バスは比較的安全かつ快適に過ごせますが、乗客や乗員がバス内で食事をしている事もあり、初めはびっくりされるかもしれません。お年寄りには誰もが席を譲る習慣があり、旅行者と言えど譲らないのはタブーです。
また、タクシーを利用する際は後部座席に座りましょう。近年は助手席に座る女性客へのセクハラが増えており、現金やカードを奪うといったトラブルも見受けられます。さらにシートベルトはしっかりと着用し、予期せぬ事故に備えましょう。
ベトナム人のジャスチャーやハンドサイン
ベトナムには様々なジャスチャーやハンドサインがありますが、基本的には日本人が日常的に使うものの中に、ベトナムでタブーとされている表現はありません。
バスに乗るときや信号を渡るときに手を上げたり、記念撮影のときに手でハートを作ったり…数日間の旅行で使用するサインはその程度でしょう。指をV字にするピースサインや、親指を立てるGoodサインもベトナム人相手には問題ありませんが、外国人観光客には控えた方が良さそうです。
これってベトナムではルール違反?知っておきたい対処法
列を抜かされた
ベトナムでは列を作らない・割り込みをするといった光景をよく見かけますが、これは単に並ぶ習慣が無いだけで、「順番を守る」概念は持っています。例えば人気屋台に人だかりが出来ていても、店員さんは注文した順番を覚えていたり、客同士で譲り合う光景も目にします。
もしも割り込まれるのが心配であれば、前の人との隙間を空けない、店員に声をかけておく、周りの人に困っている事をアピールする、といった方法で乗り切りましょう。それでも抜かれてしまったら、やんわりと注意します。ベトナムは大らかな方が多く、意外とあっさりどいてくれます。
料理を食べきれずに残した
ベトナムのおもてなしの場や大人数での宴会は、食べきれないほどの料理を注文するのが一般的です。その際は、出されたものを残してしまっても問題ありません。1人や2~3人でローカル屋台を訪れる場合でも、残す事に対してとやかく言われはしませんが、大量に残す、注文しておいて手を付けない…といった行為は気持ちの良いものではありません。
1杯のフォーや1皿分の料理であれば、きれいに食べきった方が店員さんも喜びます。ベトナムでは米粒をひとつ残らず食べる人も多いので、ぜひ日本のもったいない精神を発揮してください。
お店に飲食物を持ち込んだ
ベトナムでは、ローカル向けレストランに飲み物やおやつを持ち込む人を見かけます。中にはお店で注文したフォーを隣のカフェに持ち込んで食べる強者もおり、飲食物の持ち込みに関しては基本的に寛容です。但し、外国人観光客のそうした行為は目立つ上にあまり良い顔はされません。
なるべくこっそり行うのが得策でしょう。因みに、ホテルの部屋にドリアンを持ち込むのは絶対に止めてください。ドアの隙間を通り抜けてホテル全体が異臭に包まれます(笑)
プライベートな事を聞かれた
ベトナムでは知り合って日が浅い友人同士でも、プライベートな事をガンガン話します。初対面相手に年齢を聞く人もいますが、これは先述のとおり、年齢差などの立場によって人称代名詞を変える必要があるからです。
結婚年齢も日本より早く、25歳以上の女性であればパートナーや子どもの有無を聞かれる事も。さすがに年収まで教える必要はありませんが、日本よりもオープンな態度が求められるでしょう。
もしもトラブルに見舞われたら…
ベトナム旅行中は様々なルール・マナーに配慮していても、予期せぬトラブルに発展してしまう事もあります。ぼったくり被害から激しい口論になり、仲間を呼ばれて暴力沙汰になった…という話も0ではありません。中には日常的にナイフなどの武器を持ち歩き、口喧嘩から殺傷事件に至ったベトナム人同士のトラブルも耳にします。
もしも身の危険を感じたら、1人で解決しようとせず、現地の人に知らせて助けを求めましょう。密室・夜間・ひと気のない場所での強気な単独行動は絶対にタブーです。
ベトナムでは警察を呼んで事情を説明したり、被害届を受理してもらう事も、旅行者だけでは難しいのが実情です。海外旅行に慣れており、「なんとかなる」と考えている方も、ベトナム旅行に際しては念入りに下調べをして、注意深く行動してください。
まとめ
以上、初めてのベトナム旅行で注意すべきルール・マナー・タブーをお伝えしました。実際に現地で暮らしていると、他にもたくさん知っておくべき事はありますが、数日間の旅行であればポイントを押さえておくだけで十分だと思います。
そして忘れてはならないのが、相手を尊重する姿勢です。しつこい客引きや怪しい人は無視して構いませんが、基本的には笑顔で元気に挨拶し、目を見てきちんと話し、お礼も忘れずに伝えましょう。ホテルのフロントやカフェ店員さんはすぐに顔を覚えてくれますし、サービス精神旺盛で嬉しい対応をしてもらえる事もあります。
そんな風に、少しの気遣いが旅の思い出をもっと素敵なものにしてくれます。
みなさんもベトナムに訪れたら、ぜひ現地でのスマートな振る舞いに挑戦してみてください!
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