カンボジアといえば壮大なアンコールワット遺跡群があり、その中で日本でも有名なものと言えば、アンコールワットですが、なぜ世界中の旅人が訪れるのでしょう?それは他にはない魅力があるから、アンコールワットを訪れているのです。アンコールワットにまつわる予備知識があれば、いっそうその魅力が理解できるでしょう。今回の記事は旅人を魅了する理由とアンコールワットの歴史についての記事となっています。
〈アンコールワットの歴史〉
12世紀にアンコール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって30年以上の年月がかかり、アンコールワットは建造されました。時は移り、シャム(現在のタイ)に侵攻されたことにより1431年にアンコールワットは放棄され、最終的に現在の首都であるプノンペンが首都になりました。アンコールワットを建てたクメール人には記録を残すという文化があまり浸透していなかったため、遷都した結果人々からその存在を忘れられてしまいました。
1586年にポルトガルからアントニオ・ダ・マダレーナという人物がアンコールワットに訪れますが、この時歴史上で西欧人が初めてアンコールワットに参拝したことになっています。1632年に日本人の森本一房が日本からはるばるアンコールワットに訪れたという旨の内容を遺跡に落書きしたことから、日本にも存在を知られていたということがわかります。そして1860年、フランス人の博物学者であり冒険家であるアンリ・ムーオによってアンコールワットは世界的知名度を得ました。
20世紀初頭になるとフランス極東学院によって保存修復が行われますが、1970年にカンボジアにて内戦が起き、1979年にクメール・ルージュが正当性を失い、この遺跡を本拠地としました。アンコールワットはカンボジアにおいて最大の文化遺産とみなされており、攻める側も火器の使用をためらいましたが、それでも損傷から逃れることはできませんでした。内戦の終わりに近づいた1993年に制定されたカンボジア国旗にはアンコールワットの中央祠堂が描かれています。
そして今では、カンボジアの情勢の安定と各国の協力による修復のおかげでアンコールワットは各国からその魅力を求めて大勢の人がやってくる場所となりました。
〈アンコールワットの魅力〉
①早朝が一番美しいアンコールワット!
アンコールワットが一番きれいに映るのは何といっても早朝で、日の出に照らされる時が一番きれいに見えるのです。早朝とはいえ、大勢の人がその瞬間を待っていてとても混雑するほどで、西参道を通って右側の聖池が特に混雑します。その理由として、アンコールワットを背景にして太陽が左から昇り、ちょうどその聖池の手前に立つとアンコールワットと日の出を一緒に見ることができるからです。
アンコールワットが日の出を迎える瞬間をベストポジションで見るコツがあります。アンコールワットに一番早く入場できる時間は朝の5時で、少し早めに出発して5時前には到着しておきましょう。後、アンコールワットまでの移動手段はタクシーまたはトゥクトゥクなどになりますが、大勢の人がアンコールワットの日の出を楽しみにしていますので、当日の朝ではうまく拾うことができないかもしれません。心配な方は、前日のホテルで予約しておけば安心です。後は、日の出を座ってみたい人は汚れないように新聞紙を敷いておけば大丈夫なので用意しておくことをお勧めします。
②ヒンドゥー教の神話を刻んだレリーフ
アンコールワットはヒンドゥー教の価値観を反映した建築物で、その価値観は壁面に刻まれたレリーフにも見られます。例えば、第一回廊にはヒンドゥー教の天地創造神話である乳海攪拌に沿った内容のレリーフがあり、飲むと不老不死になれると言われるアムリタを手に入れるために神々とアスラがマンダラ山で海を攪拌している場面です。他にも第一回廊には上中下から成る天国と地獄のレリーフがあります。上段は天国に進む身分の高い人々が描かれており、中段は閻魔に裁きを受けるために審判の場に進んでいる人々が描かれていて、下段には地獄に落ちた人々が様々な刑罰を受けている場面が描かれています。これらのレリーフが壁一面にぎっしり刻まれており、感銘を受けたり圧倒されたりすることは間違いないでしょう。
④すべてが解明されているわけではないアンコールワットの謎
アンコールワットをはじめとしたアンコール遺跡群を建造したジャヤーヴァルマン2世はクメール人ですが、このクメール人は謎多き民族です。この民族には記録を残すということがあまり重要視されてなかったようで、現在でもそのすべては分かっていません。この謎多き民族が建てたアンコールワットはとても魅力的な建築物であると同時に大変高度な技術で建てられていますが、いくつかの謎があります。例えば、アンコール遺跡群は星座の一つである竜座に着想を得ているようで、アンコールワットの配置もこの竜座と一致します。また、アンコール遺跡群の配置のモチーフとした竜座は紀元前10500年ごろの春分の日の竜座で、酷似しており、クメール人が持っていた知識の豊富さがうかがえます。
他にも、2017年に考古学者によってYoutubeにとある動画が投稿されました。それは1939年に発見されたペルーのナスカの地上絵には線が引かれているのですが、この線を延長していくと、なんとアンコールワットが一場所に交差することが判明したという驚くべき内容でした。アンコールワットが位置する場所はちょうどナスカの地上絵の地球の裏側に位置することになるのです。こういったこともあって、もしかしたらアンコールワットは人知を超えたものによる産物ではないかと想像する人もいるようです。こういったミステリアスな要素もアンコールワットの魅力の一つです。
まとめ
アンコールワットは12世紀ごろに建てられただけあって、その美しさはもちろんですが、他にも様々な魅力が詰まっていますね。もし、少しでもアンコールワットを訪れてみたい!と感じられたのなら、思い切って訪れてみてはいかがでしょうか?
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