Chúc mừng năm mới!
いきなりのベトナム語失礼いたしました。「Chúc mừng năm mới」とは、日本語でいうところの「あけましておめでとうございます」と同じ意味の言葉で、テトの期間中はいたるところでこの言葉を目にします。
ということで、今回はベトナムの「テト(旧正月)期間中のベトナム観光」について紹介していきます。特に1月末~2月あたりに旅行を計画している方は必ずチェックしてみて下さい。
当記事は、ベトナム在住のスタッフが実際の体験に基づいて作成しています。個人の主観による情報ですので、記事の内容が原因となるトラブルなどについては、当社では責任を負いかねます。ご理解いただきますようお願いいたします。 |
テトとは?
テト期間中のベトナム観光について説明する前に、テトとは何かを簡単に説明しておきます。テトとはベトナム語で「Tết Nguyên Đán」であり、旧暦のお正月のことを指します。
中国の春節と同じでベトナムのお正月のことです。旧暦ですので、テトの期間は年によって変わりますが、ベトナムでは政府の発表を基にスケジュールが確定します。
ベトナムでは祝日が少なく、テトを除くと祝日はたった5日ほどしかありません。テトはベトナム国民にとって数少ない大型連休となりますので、ベトナムの労働法でテト休暇は最低5連休(大晦日を含む5日間)と決められています。
2025年は1月29日(水)が旧暦のお正月となり、テト休暇は最大で9連休(1月25日~2月2日)となります。
テト期間中のベトナム観光
ここでは、テト期間中のベトナム国内の様子と気を付けたい点を紹介していきます。
観光地は大混雑
テト休暇の期間には日本と同じように大晦日に大掃除、お正月には「Loc」と呼ばれる神社・お寺などに植えられている常緑樹の枝と葉を供物台に供え、一年の無病息災を祈ります。旧暦の元旦以降は、お世話になった方の下へあいさつ回りに伺ったり、お寺に行ったりします。
一方で、テト休暇期間は普段遠隔地にいる家族の休みが合う数少ない機会ですので、家族旅行に行くことができる数少ない機会ですので、家族総出で旅行に行く家庭も多いです。そのため、日本人がいくような観光地ではベトナム人で大混雑しており、そこに向かう道路も大混雑している可能性が高いです。
また、旧暦の大晦日あたりはベトナム人の帰省ラッシュの時期ですので、列車やバス、飛行機など予約がいっぱいで、希望する日に予約が取れないなども起こり得ます。
街中はお祝いムード
テト休暇前
ベトナムにも正月飾りがあり、テトの1ヶ月くらい前から市場やスーパー、街中でMâm ngũ quả(大きな皿の上に5種類の果物を並べたもの)やベトナム北部では桃の花(魔除け)、桃の花が咲かない気候の中部〜南部は黄色い梅の花(金運アップ)、金柑(キンカン)の枝(子孫繁栄や金運アップ)、菊や蘭をはじめとする色とりどりの花が店頭に並び始めます。
Mâm ngũ quảは皿に並んだ果物の名前、色、並び方(盛り付け方)で家主の願いを表現しており、それぞれ込めている願いによって違うものになっています。
テト休暇中
テト期間中は、道端で繁栄や富を願う獅子舞や龍舞や色とりどりのお花、正月飾りを目にする機会が多いです。特に、ホーチミンの市庁舎前の整備されている遊歩道やハノイやホイアンの旧市街などは、にぎやかに飾り付けされていますので見ごたえがあります。
テト期間は法律で決められている休みですので、ほとんどの会社や店が休みになり、普段はにぎわっている街中も閑散とした雰囲気になります。また、普段は大量にバイクが走っている道もこの時だけは交通量が少なくなり、その差に驚愕するほどです。
テト休暇後
テト休暇の期間が終われば、普段の活気が戻ってきます。テトが終われば、水牛の闘争祭りやボートレース、相撲、獅子や龍の踊りなど各地でお祭りが開催されます。
テト明けから長いもので1か月ほど続きますので、日本から観光に行くなら王道の観光に加えて、普段は見ることができないお祭りを楽しむことができるこの時期が狙い目です。
テト期間中の食事
ベトナムにも正月料理も存在し、家族そろって食べることが定番です。代表的な物としてバインチュン(Bánh trưng)やバインテット(Báng Tết)があり、地方によって名前が変わりますが中身はほぼ同じで、青豆を潰したものや豚肉などをもち米で挟み、ココナッツやバナナの葉に包んで蒸した料理です。
郷に入っては郷に従えといいますので、ベトナムのお正月料理を食べてみるのもいい経験になると思います。
飲食店探しに苦労することも
観光でやってきた人が一番苦労するのが、飲食店探しです。先にも書きましたが、テト期間中は基本的に店が営業していないので、なかなか見つかりません。やっと営業している店を見つけても、多くの人が集中することになりますので、かなりの待ち時間が発生する可能性もあります。
テト期間の食事で一番気を付けなければならないのが、料理の値段です。テト期間に働く人の給料は通常の3倍以上にすることが、労働法で決まっています。
しかし、3倍では働き手の確保が困難であり、ほとんどの企業で4倍、5倍という設定をしており、その分が料理に転嫁されている影響で、営業している飲食店や店があったとしても、値段が通常の2割~3割増しのテト料金になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、テト期間中のベトナム観光について紹介してきました。日本のお正月と同じように家族で過ごすことが多いベトナムのテトですが、日本とは違っている箇所もあります。
個人的には、一度閑散としているベトナムを経験してみるのもいいかも知れないとは思いますが、にぎやかなベトナムを想像し、楽しみにしている方にとっては、少し物足りない結果になるかもしれません。
冒頭にも述べたように、1月末~2月に旅行に行くことを計画している場合には、十分注意してベトナム観光を楽しんでください。
では、またお会いしましょう。ヘンガップライ!