ベトナムといえば、現地でおいしいベトナムコーヒーがお手頃価格で楽しめる・日本人の口にも合う美味しいグルメ・可愛い雑貨など、とても楽しみが多い国です。
そんなベトナムですが、「数多くの少数民族が集った多民族国家」だということはあまり知られていません。今回の記事では、多民族国家であるベトナムの意外な一面にスポットライトを当てて、そのお国柄をご紹介させていただきたいと思います。
多民族国家とは?
多民族国家とは一言にまとめると、「多くの民族が寄り集まって構成されている国」のことを意味します。多民族国家の正確な定義は、「民族とは?」という根本的な問いから始まります。
「民族」という概念は、政治体制、宗教、言語などのような複合的な要素によって、変化する流動性の高いものであるため、一括りに定義することが非常に難しいです。
しかし、定義上は「有力な民族による軍事力で以って、他の民族が屈服させられているわけではない」といった厳密な要件があります。多民族国家の具体例としては、有名な国では、中国、ロシア連邦、アメリカ、インド、スイス、南アフリカも多民族国家です。
なぜ54もの少数民族がベトナムに集ったのか?
「代表的な少数民族は?」というところから話は始まります。ベトナムの代表的な少数民族は、キン族といわれています。キン族のもともとのルーツは、中国にあるとされています。
キン族が現在のベトナムの人口に占める割合においては、実に8割以上を占めるとも言われています。ベトナム人という呼称は一般的にキン族に該当します。
現代社会においてベトナムは、どのような様子を呈した国になっているか?
ベトナムの市街地において、少民族や多民族国家を感じることは特にありません。都市部では、少数民族の人も都市に馴染んで生活しているため、キン族と見分けは付きません。
しかし、ハノイでは美しい刺繍などを売っているサパやハザン省などの山岳地帯の少数民族の人々を目にすることがあります。
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北部山岳地帯の少数民族は普段、自分たちのなわばりの中で生活しているので、ベトナム語もあまり話せません。しかし英語が堪能な人も多いです。ベトナム国民が保持しているID(国民証)にもきちんと民族欄の記載箇所があるのは、多民族国家でもベトナムならではと言えるのではないでしょうか。
少ないようで意外と多い少数民族。私の会社のオフィスのベトナム人スタッフ20人のうち、2人が少数民族でした。(タイ族とホア族)
ベトナムの民族をすべてご紹介します。
それではベトナムの民族をすべてご紹介いたします。しかし、日本語資料が少なく、ご紹介できない少数民族もあります。
少数民族を詳しく知りたい方は、ハノイの「民族学博物館」がおすすめです。世界の博物館50選にも選ばれたことがある有名な博物館です。日本語の展示は無いので、ぜひ通訳やご友人のベトナム人と訪れてみてください。
ベトナム民族学博物館
Bảo tàng Dân tộc học Việt Nam
住所:Nguyễn Văn Huyên, Quan Hoa, Cầu Giấy, Hà Nội 100000
営業時間:8時30分~17時30分
キン族 (Kinh / 京)86.2%
ベトナムにおける主要民族で、一般的に「ベトナム人」と呼ばれている民族です。なお、キン族はベトナムのみならず中国、ラオス、カンボジア、タイでも少数民族として暮らしています。紀元前、東南アジア最古の青銅器文化「ドンソン文化」を発展させ、小規模な国家群を形成していました。これが古越人とよばれ現在のキン族の先祖です。
中国の「秦」成立後、千年以上中国の支配を受け続けたため、漢字を使用するなど中国の文化を受け入れていきました。しかし、歴代の中国王朝が弱まるたびに反乱を起こし、一定の独立性を保ってきました。10世紀ごろ、ようやくキン族最初の王朝とされる呉朝が現在のハノイ周辺に成立します。その後、周辺の少数民族や南部に形成されていた「チャンパ王国」を南進しながら従え、領土を増やしていきました。
そして17世紀にようやく現在のベトナム領土を確率するに至りました。しかし、その後すぐに19世紀からフランスによる植民地支配、日本軍の進駐を経て北と南の2つの国に分断されてしまいます。その後、アメリカが介入したベトナム戦争を経て、ようやく1975年に南北統一を果たします。
これらの歴史を踏まえて、ベトナム(キン族)の歴史は常に戦いの歴史であったと言われています。
タイー族 (Tày / 齊)1.9%
人工は150万ほどでキン族についで多い民族となっています。主に中国やラオスとの国境の山岳地帯に住んでおり、中国、タイ、ラオスなど広く分布している山岳少数民族です。
タイ・カダイ語族系ですが次にご紹介するタイ族とは、異なる文化、風習を多く持っているため明確に区別されています。
タイ族 (Thái / 泰)1.7%
主に現在のタイ王国を形成している民族です。タイ・カダイ語を使用します。起源は諸説ありますが、中国南部にルーツを持つ説が有力とされています。
5−6世紀ごろに漢民族の進出に追われ、ベトナムを経由して西南方向に分布していきます。その過程でベトナムにも一定数が残ったと言われています。
ムオン族 (Mường / )1.5%
人口は100万人ほどで、少数民族の中で3番目に多い民族です。北中部の山岳地帯、とくにホアビン省とタインホア省に多く分布しています。
同じく山岳部に住んでいたタイ族との文化交流が多く、かつては強力な封建的社会を形成していました。ツボから飲む「カン酒」が有名です。
クメール族 (Khơ Me Crộm, Cao Miên / 高棉)1.4%
カンボジアを中心とするクメール文化を持つ民族です。南部メコンデルタエリアに住んでいます。チャウドックなどはクメール族の集落がいくつも残っています。
褐色の肌、大きな瞳が特徴的で、キン族とは顔つきが大きく異なります。アプサラダンスなどクメール文化も継承されており、後述するチャム族とは文化的な接点も多いです。
ホア族 (Hoa / 華)1.1%
ベトナムにおける華人(中国から移民してきた人々)はホア族に分類されいます。おもな居住区はホーチミン市5区の中華街です。ホーチミン5区出身の人の多くがホア族に分類されており、中国語とベトナム語の両方をしゃべることができます。
ヌン族 (Nùng / 儂)1.1%
北部山岳部の各地に分布している民族で、特に中国の国境地帯、ランソン省、カオバン省などに集中して居住しています。黒一色のシンプルな衣装が特徴的です。
土壁でできた高床式の立派な家屋が特徴的で、ハノイの民族学博物館ではひときわ目立つ大きな家が野外展示されています。
モン族 (H’Mông)1%
モン族は人数こそすくないものの、最も会いやすい民族の一つです。観光地であるサパに多くが住んでいるためです。
黒モン族、花モン族など細かく分類され、それぞれの民族衣装は大きく異なります。ベトナムだけではなく、タイ・ラオスの山岳地帯までモン族同士の交流が広がっています。
ザオ族 (Dao / 猺)
中国に起源を持つ山岳民族で、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマーと広範囲に拠点を持つ民族です。
こちらもサパにて多く見ることができます。特に赤ザオ族は早くから、フランス統治に適応し、伝統な文化と衣装を残しつつも、サパ市内で多く働いています。
ジャライ族 (Gia Rai / 嘉淶)
ベトナム中部高原地方に居住している少数民族で最大規模のコミュニティがあります。起源は不明な点が多いですが、現在のザーライ省に多く住んでいます。
オーストロネシア語系(マレーやポリネシアなど南の島をルーツとした言語)に属し、呪術的なモニュメントが特徴的な建物が特徴です。
エデ族 (Ê Đê / 帝)
主な居住地はダクラク省、ザライ省に集中しています。オーストロネシア語系です。ダクラク省ではいまでもエデ族の伝統的な長屋がみられます。母系の大家族を形成し、大家族で生活することが特徴です。
バナール族 (Ba Na / 巴那, Bahnar)
ベトナム中部高原地方に居住している少数民族ですが、言語はモン・クメール語族に属しています。この民族の特徴は巨大な屋根を持つ家です。あまりにも特徴的なため、ベトナムの少数民族を紹介する人形キットでは、この民族だけ「家」のフィギュアとなっています。
サンチャイ族 (Sán Chay / 振齋)
北部高原地帯に住む少数民族です。トゥエンクアン省、タイグエン省、バクザン省などに住んでいます。独特な形を模した「プ・ザン・ジン」と呼ばれる衣装が特徴的です。
チャム族 (Chăm / 占)
ベトナム各地に遺跡が残っている有名な民族です。「チャンパ族」とも呼ばれています。クメール文化を色濃く受け継いでおり、アプサラダンスやアンコールワットを思わせる独特な建築物が有名です。
かつてのチャンパ王国は非常に大きな国で、キン族と度々領土争いを繰り返して来ました。ベトナム国内の王国の衰退とともにその殆どが現在のガンボジアに移住しました。今でも南ベトナムの各地でチャンパ王国の遺跡が残っています。
セダン族 (Xơ-đăng / 疏登)
ラオスとベトナムの国境、主にコントゥム県に住んでおり、クアンガイ省とクアンナム県の山岳地帯に数人住んでいます。水牛ととも暮らす民族で、家畜、家禽、狩猟、収集、魚、織り、織り、鍛造を行います。鉄鉱石の扱いに長けており、鍛冶職人として有名な民族です。
サンジウ族 (Sán Dìu / 振遙)
ベトナムの北部に住み、広東語の方言あるいは広西平話を話すザオ族系の民族です。明の広東から移住したと考えられてますが、その多くは不明です。ホア族やガイ族などの中国から移住してきたグループの一つです。
フレ族 (Hrê)
クアンガイ省に住んでいる少数民族です。黒地の民族衣装が特徴的で水田を持ち、中部の温暖な気候の中で穏やかな暮らしをしています。
公式フェイスブックページがあります!
https://www.facebook.com/dantochrequangngai/
コホ族 (Cờ ho / 基呼)
南中部に広く分布しており、主にラムドン省に住んでいます。もともとは遊牧生活をする文化がありましたが、今はほぼすべての氏族が定住しています。母系社会で男性は妻の家に住むことが普通です。
ラグライ族 (Ra Glai)
チャム族系の民族でベトナム中部の山岳地帯に住んでいます。伝統的に移動焼畑農業を生業としていましたが、戦争を経て定住するようになりました。母系社会でかつ氏族外の結婚を禁止するなど、部族内のつながりが非常に強いです。シャーマンによる儀礼が残っており、独自の心霊世界観を持っています。
ムノン族 (M’Nông)
古代クメールにルーツをもつ民族です。南西山岳地帯に広く住んでいますが、ダクノン省に最も集中しています。湖の近くに住む家族が多く、一部の世帯は象を飼育しています。女性はノースリーブの民族衣装、男性はふんどしというラフな民族衣装が特徴的です。
トー族 (Thổ / 土)
トー族はベトナムのゲアン省西部に住む民族グループです。トー族はさらに細分化された多くのグループに別れており、それぞれのグループが独自の言語を用いています。それぞれのグループごとに民族衣装の色が異なります。木棺を用いた風葬が特徴的ですが、最近は火葬に変わって来ました。
スティエン族 (Xtiêng)
ベトナム東南部のビンズオン省とドンナイ省に居住しています。ホーチミン市のすぐ近くに少数民族。カンボジアにも分布しており、非クメール民族の少数民族とされています。普段の生活は一般的なベトナム人(キン属)と変わりませんが、結婚式では独自の文化を垣間見る事ができます。
コム族 (Khơ Mú)
東南アジアの北東部に住む最大の民族グループです。タイのモン族やベトナムのムオン族と並んで、ラオスで最も初期から続いている民族グループであり、ベトナムの北部山岳地域でも最初期の先住民族のコミュニティを生み出しています。
ブル・ヴァンキエウ族 (Bru – Vân Kiều)
南中部のクアンチ、クアンビン、ダクラク省に住んでいます。かつてヴァンキエウ山に多く住んでいたため、このように呼ばれています。ドラムを使った盛大な結婚式やフェステイバルが有名です。
ザイ族 (Giáy)
北部山岳地帯に広く住んでいる少数民族です。他の少数民族と同じように高床式の家に住んでいます。主な産業は水田と畜産です。女性の鮮やかな民族衣装が有名で、他の少数民族と違い、カラフルな下地の衣装です。
サパ・ハザンなどの観光地でも多く見かける事ができます。ザイ族が作るポシェットやバックなどはお土産として人気があります。
コトゥ族 (Cơ Tu / 基修)
南中部の山岳地帯に住んでいる少数民族です。男性の民族衣装は非常にラフで布を体に巻きつけたシンプルな服装です。立派な高床式の家に住み、家のような屋根を持つ独特の墓を持ちます。また、かつては男女ともに顔に入れ墨をする文化がありました。
ジエ・チエン族 (Giẻ Triêng / 綵)
クアンナム省の山岳地帯に住んでいます。今でも棺を木にぶら下げて風葬する習慣を実践しています。多くの種類の伝統的な楽器を用いたフェステイバルが有名です。
タオイ族 (Tà Ôi / 斜偎)
中部の西の山岳地帯に住んでいます。村の真ん中に共同住宅を建て暮らしています。村には、男女で夜を過ごす小屋や、霊を祀る「お化け屋敷」があるなど、独自の文化があります。
マ族 (Mạ)
白地のカラフルな伝統衣装で知られている少数民族です。ダラットなどラムドン省に居住しています。他の山岳民族と同じく、高床式の家に一族で暮らしていました。
コー族 (Co / 孤)
クアンガイ省に住む民族で、「シナモン」の栽培が有名です。シナモンは、品質と収量が高く、国内および世界の多くの地域で知られています。ゴング、ゴング、ドラムを演奏するのが好きで、踊って歌うのが好きな民族とされています。
チョロ族 (Chơ Ro / 加由)
ドンナイ省やビンズオン省に住む少数民族です。かつては伝統的な家に住んでいましたが、ホーチミンなど大都市に近いため、現在の居住地域ではめったに見られません。
ハニ族 (Hà Nhì / 何貳)
中国に多く住んでいる少数民族です。4世紀頃に戦火を逃れて東南アジアの山岳地帯に広く分布しました。衣服は青色が多く、男子は黒色の頭巾を被っています。弥生時代には日本にも渡来していたと考えられています。日本人のルーツであるとする説もあるほどです。
シンムン族 (Xinh Mun / 椚)
シンムン族はソンラ省に集中して住んでいます。もち米とトウモロコシを栽培し、主に焼畑で生活しています。ビンロウを好み、歯を黒く染めたり、カン酒をのみます。他の多くの少数民族と同じく、黒地の伝統衣装をきています。
チュル族 (Chu Ru / 朱歟)
オーストロネシア系のマレー語を話す民族です。ラムドン省の一部地域に住んでいます。トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバといくつかの野菜と豆を畑や庭で育て。陶器製造が得意な民族です。装飾のない白地のシンプルな伝統衣装が非常に美しいです。
ラオ族 (Lào / 牢)
ラオス、タイに住むタイ族の一派ですが、数百万人を超える民族です。名前の通り、ラオスにおいては約240万人(ラオス国民の50%以上)が居住しています。また、タイ人の3分の1はラオ族です。かつてはベトナムにも多くのラオ族が住んでいましたが、仏領インドシナ時代に同化されました。
その後、ベトナム戦争などの混乱期に、パテート・ラーオ(ラオス愛国戦線)による内乱でベトナムへ逃れたグループが50万人いるとされています。宗教観はタイ族と同じく上座部仏教ですが、精霊信仰の影響も強いです。
ラチ族 (La Chí / 羅志)
主に東北部に住んでいる少数民族で、ヌン族、ザオ族と同系統の文化を持つ民族です。水田や焼き畑をして暮らしています。ベトナムでは特にハザン省に多く住んでおり、美しい棚田を見ることができます。
フラ族 (Phù Lá / 芙蘿)
ラオカイ省に多く住んでいる山岳少数民族です。この地区の他の少数民族と同じく、棚田と牧畜が主な産業です。色鮮やかな伝統衣装と髪をまとめる帽子が特徴的です。女性の殆どが帽子をかぶっています。
ラフ族 (La Hủ / 羅詡)
中国と東南アジアに広く分布している少数民族グループのひとつです。雲南省に45万人が暮らしており、ベトナムには1万人程度が暮らしていると言われています。主に北部山岳地帯に住んでおり、他の多くの山岳少数民族と同じく、美しい棚田を形成しています。
カン族 (Kháng / 抗)
ソンラ省とライチャウ省に住む少数民族です。同地区の他の少数民族と同じように棚田と牧畜、もち米を主食とする生活をしています。独自の宗教観を持っており、人間は5つの魂を持っているとしています。
ル族 (Lự / 濾)
ラオス、タイ、ベトナムと広く分布しており、ベトナムでは山岳地帯に住んでいます。米、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバ、ピーナッツ、綿、藍を主な産業としており、どの家も庭があることが特徴です。
パテン族 (Pà Thẻn)
殆どがハザン省に住んでおり、非常に鮮やかな真っ赤な衣装が特徴的です。多くの少数民族が集まる場でも、パテン族はひと目でパテン族とわかリます。生活様式は同地区の少数民族と同じく、棚田と牧畜で暮らしています。
ロロ族 (Lô Lô / 盧盧)
中国ではイ族として知られており、世界全体で800万人を超えています。ベトナムでは北部山岳少数民族として広く分布しており、有名な観光地である「サパ」でも多く見かけることができます。
ロロ文字、ロロ語など独立した独時の文化を持っています。ベトナムでは、棚田を作り、米とトウモロコシを主食に暮らしています。
チュット族 (Chứt)
クアンビン省に多く住んでいる少数民族です。かつての戦争でより深くの山岳地帯へと居住区を移動していった歴史があります。かつては狩猟と採集によって生活していました。現在でも食文化にその文化が色濃く残っており、結婚式では必ず猿の肉が必要です。水田を持たず、他の少数民族とは一線を画す民族です。
マン族 (Mảng / 莽)
ベトナム北部と中国南部(雲南省)に住む少数民族です。人口は約2,000人にほどで最も少ない少数民族の一つです。主にライチャウ省に住んでいます。白地の衣装が特徴的で、あごの入れ墨の習慣があります。
コラオ族 (Cờ Lao / 旗勞)
中国にルーツをもつ山岳少数民族です。北部山岳地帯に広く分布しており、他の少数民族と同じく棚田を形成して暮らしています。コーラオ語は、絶滅寸前の言語とし危惧されています。
ボイ族 (Bố Y / 布依)
もっとも人数が少ない少数民族の一つで、人口は約3,000人とされています。父系社会で、3世代が一緒に住むのが一般的です。家族のつながりを大切にする民族であり、独自の文化がよく保たれている民族の一つとされています。ほとんどがハザン省に居住しています。
ラハ族 (La Ha / 羅呵)
ベトナム北部に居住する民族グループです。ソンラー省とラオカイ省に住んでいます。ラハ族は綿を育ていることを生業としている場合が多く、その綿をタイ族など他の少数民族と交換しています、そのため、ラハ族の伝統衣装はタイ族の衣装によく似ています。
コン族 (Cống / 貢)
ラオス北部、ベトナム北西部、タイ北部に住む少数民族です。ディエンビエン周辺に多くが住んでいます。父系家族で、他の山岳民族とおなじく、高床式倉庫、黒地の民族衣装を着ています。
ガイ族 (Ngái /)
おもにタイグエン省ドンハイ地区のホアトゥオンコミューンに住んでいますが、ベトナム全国に分散して住んでいるのも特徴です。文化的に中国と近いとされ、漢字を使うホア族と密接な関係を持っています。
タイグエン省といえば、お茶の名産地として有名です。ガイ族の持つ中国文化との関わりもあるかもしれませんね。
シラ族 (Si La / 蚩羅)
少数民族が集まるエリア、ベトナム北西部の山岳地帯に住んでいます。ひと目でシラ族とわかる硬貨が縫い付けられた民族衣装が特徴出来です。誇り高い民族として知られ、日常生活でも民族衣装を身につけています。
プペオ族 (Pu Péo)
ハザン省に住むプペオ属は同エリアでももっとも少ない少数民族の一つです。独自の言語を話しますが、モン族の言語を話します。ドンヴァン高原の谷に集中して居住しており、自然を大切にする教えを固く守っています。
ブラウ族 (Brâu)
中央高地のコントゥム県ゴックホイ地区に住む民族です。もっとも人口が少ない少数民族の一つとされています。ただし、ラオスやカンボジアには一万人程度が暮らしています。数々のドラムを駆使し、音楽と踊りが好きな民族として知られています。
ロマム族 (Rơ Măm)
コントゥム県に住む少数民族です。言語はモンクメール語に近い言語を話します。家計を一族で共有するため、非常に大きな家に住みます。シンプルな白い衣装が特徴的です。
オドゥ族 (Ơ Đu / 於都)
ベトナム中部のゲアン省に住む民族で、最も一番少ない民族の一つと言われています。高床式の住居にすみ、一つの集落に固まっています。タイ族に近い文化を持ちながら、オドゥ語という独自の言葉を話します。
まとめ ベトナムで少数民族の人にあったら
私も一度少数民族の人の結婚式に参加させていただきましたが、独特の文化やルールがあってとてもおもしろかったです。もしお知り合いのベトナム人で少数民族出身の方がいらっしゃたら気軽に文化や風習を尋ねてみてください。きっと喜んで話してくれるはずです。
また、ベトナム人は見ず知らずの人を家や式典に招くことに抵抗がありません。ぜひ少数民族の暮らしやベトナム人のローカルな暮らしを体験していただけたらと思います。以上、ベトナムの少数民族事情のご紹介でした。
参照したサイト: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベトナムの民族一覧