チョコレートの原料といえばカカオ豆ですが、カカオ豆の原産地で有名なのはアフリカや南米ですよね。でも実は、ベトナムもアフリカや南米に負けないほどカカオ豆を育てるのに適しているんです。
残念ながらベトナムのカカオ豆の生産量は世界で1%に満たないほどでしかありません。ですが、近年ベトナムで生産される質の高いカカオ豆から作られるチョコレートは注目を浴び始めています。今回は、そんなベトナムのチョコレートの魅力を紹介したいと思います。
ベトナムのカカオ豆の質が高い理由
①カカオ豆の栽培に適しているメコンデルタ
ベトナムのカカオ豆の生産地で有名なのはベトナム南部のベンチェ省にあるメコンデルタ地帯です。メコンデルタと言うのは、中国やカンボジア、ベトナムを流れるメコン川の河口にある網の目のような三角州のことをさします。
カカオ豆を育てるのに相応しい条件というのは十分な降雨、排水性の高い土壌、湿気のある気候で、メコンデルタ地帯はこの条件に合致しています。そういうわけで、メコンデルタ地帯にはカカオ豆の農園がありトリニタリオという種類のカカオ豆を栽培しています。
弊社のプライベートメコンデルタツアーでは、ツアーアレンジでカカオ農園の訪問が可能でございます。
カカオ豆は大まかに三つに分類できます。クリオロ種とフォラステロ種、トリニタリオ種がありクリオロ種とフォラステロ種を交配したのがトリニタリオ種です。
トリニタリオ種はクリオロ種の風味を持ちフォラステロ種の生産性の高さを持っているというハイブリッドです。クリオロ種は風味が素晴らしいのですが生産性は高くありません。一方でフォラステロ種は生産性は高いですが風味のほうはいまいちです。
それを踏まえてベトナム政府はカカオ豆の質の高さを保ちたい一方で生産性を高めたいという意向があるようで、このトリニタリオだけを栽培するということになっているようです。ベトナムのカカオ豆の質の高さに注目してるのはもちろんベトナム政府だけではありません。
各国に存在するベルギーやフランスの大手チョコレート会社も注目しており、カカオ豆を栽培している農家の方々に栽培や発酵に関する支援を行っているようです。
チョコレート工場内にカフェがある
ベトナムのチョコレートでMarou社が経営する直営カフェがハノイ、ホーチミンにあります。前者がMaison Marou Hanoi、後者がMAROU Faiseurs de Chocolatというのですが、これらの店はなんと、カフェでありチョコレート工場でもあります。
皆さんはBean to Barという用語を知っていますか?カカオ豆から板チョコの製造まですべて自社で行うという意味で、Bean to Barは近年チョコレート業界では標準的なものになっているんです。Marou社はこのBean to Barを採用していて、これらの直営カフェではこの製造法を使ったチョコレートができていく過程を見ることができます。
自分が注文したチョコレートが出来ていく過程を見物できて、出来立てのおいしいチョコレートを楽しめる、まさに一石二鳥ですね。もちろん、お土産用のチョコレートもここで買うことができ、他にもエクレア、チョコケーキ、クッキーなども持ち帰りできます。
%
ベトナムで親しまれているチョコレート
もちろんベトナム生まれのチョコレートはMarou社の製品だけではありません、他のメーカーのチョコも親しまれています。
たとえばPHEVA社の製品があり、こちらはダナン発のチョコレートで、ベンチェ省で取れたカカオ豆で作られています。
Marou社の製品や、PHEVA社のチョコレートはシングルオリジンといって一つの産地で収穫されたカカオ豆やサトウキビといった原料でチョコレートを作るという手法をとっているとのことです。これほどこだわっているのだから味も当然すばらしいわけですね。
他にもホーチミンで手作りを売りにしているSavie社の製品もありますが、こちらはMarou社やPHEVA社と比べるとまだまだ新しいメーカーです。なので、日本で買うことは難しいどころか、ベトナムですら買える場所はまだまだ少ないようです。
お値段はリーズナブルですが、Savie社のチョコレートもシングルオリジンで作られているようで味のほうも素晴らしく売ってる店などを見つけたら買ってみたら良いのではないでしょうか。
まとめ
べトナムがカカオ豆の栽培に力を入れ始めたのはまだまだ最近のことです。しかし世界的にも評価されており[インターナショナ・カカオ・アワード]において[カカオ・オブ・エクセレンス]という賞を獲得したという実績もあります。
そんな素晴らしいカカオ豆が栽培されている所が見たい、そんな質の高いカカオ豆で出来たチョコレートを食べてみたい、という方はベトナム現地に訪れてみてはいかがでしょうか。
[jvs_footer]