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カイディン帝廟 - フエと周辺の観光スポット
カイディン帝廟
斬新なデザインとコンクリートとやガラス、陶器のモザイクで大人気!
カイディン帝廟は阮王朝12代皇帝カイディン帝の帝廟です。このカイディン帝廟はフランスの植民地時代の1920年から11年間かけて建てられ、西洋と東洋の建築様式が折衷されています。阮王朝の衰退期に建てられたこのカイディン帝廟は、トゥドゥック帝廟等の他の帝廟と比べるとこじんまりとした作りになっていますが、フランスと中国両方の影響を受けた東洋西洋の折衷様式で建てられたこの遺跡はベトナムの歴史を語る上でとても重要な役割を持っています。
カイディン帝とクオック・グー
カイディン(啓定帝)は阮王朝の12代皇帝で1916年から1925年まで在位していました。 カイディン帝の即位時期に起こった出来事として最も有名なのは「クオック・グー」の誕生です。クオック・グーとは現在ベトナムで公式に用いられている文字のことで、「Việt Nam」のようにアルファベットの上に独特な声調記号があるのが特徴です。
中国の影響を強く受けるベトナムは、元々漢字を国の公式文字として用いていました。グエン(Nguyen)が阮と記されるのもそれが理由です。その後、19世紀ドゥドゥック帝の在位中に阮王朝フランスの保護国となりました。(詳しくはトゥドゥック帝廟のページをご参照ください)そして将来的に、ベトナムの公用語をフランス語に変えるためにまずは漢字を廃止し、アルファベットを用いたクオック・グーの使用を始めました。
このクオック・グーはベトナムで行われていた官僚登用試験「科挙」においてもフランス語と共に必須科目になる等、次第に重要視されるようになりました。そしてカイディン帝が即位した後、阮王朝は正式に政府の公文書の表記方法を漢字からクオック・グーに変更することを決めました。そして時は流れ、1945年の独立により正式にクオック・グーはベトナムの公式文字となったのです。
また、阮王朝の威信が厳しいものとなる中、当時カイディン帝はフランスの保護下で悠々自適な生活を送っていたと言われており、政治家としての手腕を疑問視する声が多数あります。特にこの立派な帝廟を作るために税率が引き上げられ、当時から国民の評価は良いものではありませんでした。ベトナム建国の父であるホーチミンら構成の偉人からの批判も多く見られます。
折衷文化の建造物
カイディン帝廟は、街から少しはなれた山の中にあり、さらに道路から階段を少し登った場所にあります。階段を登って帝廟までの道のりには兵士や馬の像が数多く立っており、日本の埴輪や中国の兵馬俑のような「兵馬の像を建て死後も王を守る」といった東洋文化を感じることができます。しかしながら、少し進んでいよいよ廟に着くという時には、皇帝の業績が書き記されているフランス風の碑亭やコンクリート作りで立派な彫刻の施された帝廟本体で皇帝が安置されている「啓成殿」等々西洋文化の流入を見ることが出来ます。
と思いきや建物に入る前の門の上には中国風の装飾が施されていたり、また啓成殿の天井には九龍が描かれていたりとあらゆるところで折衷文化を確認することができます。注目すべきところは建物の内部の壁面で、中国陶器の破片を利用したモザイクアートが施されています。また、その中には日本のビール瓶も用いられており、日本の銘柄を確認することが出来ますので是非探してみてください。
観光する際の注意点
他のベトナムの観光スポットと同様、過度な露出のある衣服の着用は控えましょう。また、カイディン帝廟は駐車場から降りてさらに長い石段を登る必要があるため、車椅子をご利用の方、足の不自由な方はお気を付けください。
アクセスについて
新市街地から少し離れた山の中にあるので、タクシーの利用をお勧めします。山の中ですので流しのタクシーを拾うことが困難です。タクシードライバーにお願いして自分たちの見学時間が終わるまで駐車場で待っていてもらうのが良いでしょう。
住所:Tomb of Khải Định, Hương Thủy, Vietnam
入館料:大人10万VND(約500円程度)・子供2万VND(約100円程度)
開館時間:7:00〜17:00